いじめ防止で各校生徒会が成果を発表
(2013年5月13日)
今年度は小学校にも取り組み拡大
高崎市内の中学生がいじめのない学校をつくろうと、自分たちにできることを話し合う研修会が、11日に高崎市役所で行われ、高崎市立中学校25校の生徒会役員の生徒が集まり議論した。
いじめ防止に対する中学生の取り組みは、昨年の秋に始まり、今回の研修会では、グループに分かれて、各学校の取り組みを発表し、成果や課題などを意見交換した。各学校では、これまでクラスの話し合いや、いじめをテーマにした寸劇を制作して上演するなど、生徒会を中心にした「いじめ防止」に取り組み、いじめ認知件数が減少し、成果を上げている。
今回の研修会では、中学校と小学校が連携した取り組みを参加した中学生に考えてもらい、ポスターづくりや「あいさつ運動」などのアイデアが提案された。高崎市教育委員会は、小学校高学年を対象とした研修会を今年度に行う予定で、中学生の提案を生かしていく考え。
研修会では、取り組みによる成果や、準備作業など、具体的な意見交換が活発に行われた。いじめ相談箱など意見箱を生徒会が設置している学校は多いものの、設置場所による投書の入れやすさなども工夫しないと、意見が集まらないなどの悩みも相談しあった。
中学校の生徒会同士が交流し、情報交換していくことも生徒から要望されるなど、いじめに対し生徒が真剣に取り組んでいる姿勢もうかがえた。他校の取り組みを自分たちの学校でも生かしていきたいと意欲的だ。
飯野教育長は「学校のいじめを一番よく知っているのは、中学生の皆さんです。中学生が立ち上がらなければ、いじめは解決しない。皆さんの取り組みが成果を上げ、高崎市内のいじめ認知件数は減少している。いじめで悩む生徒がいない学校にしなければいけない。友達を助け、友達が問題行動を起こさないネットワークを作ってほしい。みんなの取り組みにエールを送りたい」と期待した。
また飯野教育長は「大津市で中学生がいじめによって自殺した問題では、学校と教育委員会がしっかり対応してこなかったことが大きな社会問題となった。高崎市の学校では、いじめを隠蔽することが問題を深刻化させることを認識して取り組んでいる。中学校でいじめが多い場合は、校区の小学校でもいじめが多いことが明らかになっているので、小学校のいじめ防止に取り組んでいきたい」と話している。