サケが烏川・碓氷川に回帰/卵を保護
(2010年12月27日)
僕らのサケを育てる会など市民団体。産卵の目撃者も
12月27日、和田橋付近の烏川と碓氷川合流点周辺で、「僕らのサケを育てる会」(酒井裕次時期会長)がサケの卵の収集にあたった。当日は、同会の小池秀明事務局長ら6人が、群馬水産試験場の協力を得て、産卵床の下流に網を構え、手作業で採卵した。伊勢崎に事務局がある市民団体「群馬の鮭を守る会」(小林浩会長)、近隣住人などが見守る中、作業は2時間ほどで終了した。
「僕らのサケを育てる会」は、毎年、サケの卵を市民に配布し育ててもらい、稚魚の放流を行い、今年で23回目を迎えた。今年は「群馬の鮭を守る会」の小林会長が、12月初旬に、サケが川床に産卵した後にできる、小石などが盛り上がった「産卵床」を発見したことをきっかけに、その維持を本格的に計画。調査するうちに、この流域は河川工事の対象で、稚魚が海に向かうまで産卵床を維持するのが難しいことが分かった。そこで、「僕らのサケを育てる会」が県や国などに働きかけ、特別に許可を得て、今回の採卵が実現した。
「サケは5年ほど前から回帰し産卵しているよう。今年は、その数が非常に多かった」と群馬の鮭を守る会の小林会長。碓氷川中心に、碓氷川・烏川合流地点付近にある、標識用ロープのくいの辺りが最も多く産卵床があったと話す。近隣の人も「乗附小の上流辺りで、たくさんのサケが飛び跳ね産卵行動しているのを目撃した。その光景は、ここが日本であるのを忘れさせるものだった」と語った。
来年3月には、今年12月6日に市民に配布した卵が稚魚になったものを、放流する予定。