「高崎都市集客戦略ビジョン」を策定
(2010年12月22日)
2時間圏4600万人の交流人口を生かす都市戦略
高崎市は「高崎都市集客戦略ビジョン」を策定し、高橋市の将来像を示した。第5次総合計画に掲げた「交流と創造~輝く高崎」を実現し、政令指定都市をめざす存在感のある都市を実現するグランドデザインとして描かれた。
このビジョンは、市全域を「集客都市(コンベンションシティ)」と位置づけ、都心部に人・もの・情報などの「交流」と、芸術・文化・科学技術などの「創造」を集積させ、全市に波及させることで、より豊かで質感の高い地域社会に発展させる。
高崎市は、新幹線、高速道路が集まる全国有数の交通拠点性を持ち、北陸新幹線の金沢延伸、北関東道の全線開通もひかえている。高速交通網によって、2時間交通圏として結ばれる首都圏、北関東、信越、北陸には、日本の人口の約半分にあたる4600万人の沿線人口が存在している。こうした大きな交流人口が見込まれる一方、無策のまま時を過ごせば通過都市になってしまう危惧もある。金沢市、新潟市は、拠点性を強化するための都市戦略に取り組んでおり、高崎市においても本市の優位性を生かした戦略的なまちづくりが求められている。
また、近年開発が進んでいる前橋南部地区、本庄早稲田駅周辺地区は、広域的には高崎市と一体で、都市間競争と都市間連携の相乗効果によって、エリア一帯の発展につなげることも大切な視点となっている。
人口減少社会にあって高崎市は、県内唯一の人口増加都市であることも高崎市の都市力を表す指標になっている。広い視点に立ち、全国を視野に入れた広域連携によって内陸最大の拠点都市を構築する。
ビジョンの基本方針に、「北陸・信越と首都圏・東京を結ぶゲートウェイとしての集客都市」を掲げた。4600万人交流圏を高崎市の新たなステージに位置づけた。交流人口を拡大するためには、高崎のブランド力に磨きをかけ、外へ発信する必要がある。産業の誘致、新産業の創出、産学官連携によって本市経済の活性化をはかっていく。
ビジョンの都市戦略として、「スマートインターチェンジと県内最大の集客施設である高崎駅を結ぶ軸を、本市の新たな都市軸とし、求心力の高い市街地に、人・もの・情報を誘導する都市装置として位置づける」、「4600万人という交流人口を最大限活用するための都市集客施設を都心部の最も効果的な場所に整備し、外からの集客を積極的に行う」の2項目が示されている。
高崎玉村スマートICから高崎駅に至るエリアの拠点化整備は、高崎商工会議所が、先に松浦市長に提言した「新都市創造構想」でも強く訴えられており、今回の高崎市の戦略ビジョンにも重なっている。産官が歩調を合わせることで具体化に向け、より大きな推進力を生み出すことができるだろう。