算数・数学に苦手意識/全国学力テスト
(2013年9月9日)
来年度から学力向上推進事業
小学6年生と中学3年生を対象に4月に行われた「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果が、8月27日に県教委から発表されたことにあわせ、6日の高崎市議会一般質問で、丸山覚議員が、本市児童生徒の算数、数学の学力について課題と対策についてただした。
飯野教育長は、高崎市内の全ての小学校と中学校で、来年度から、算数や数学を中心にした学力向上の取り組みを実施していく考えを示した
高崎市教育委員会によれば、本年度の全国学力テストの結果は、小学校の算数は、「A知識」が県と全国の平均を上回り、「B活用」が県平均は上回ったが、全国平均をやや下回った。中学生は、A知識、B活用ともに県、全国平均を上回った。
市教委は、本市の課題として、小学生の活用が知識に比べて低いこと、調査で「算数が好きだ」と答えた小学校6年生の割合が7割弱、「数学が好きだ」と答えた中学校3年生の割合が5割程度にとどまっていることを上げた。算数、数学に対し、苦手意識を持っている子が、他教科よりも多いという。また、平均以下の子や学力の低い子の学習支援も重要課題と述べた。
市教委は、基礎の定着が不十分であることが考えられ、確かな知識、技能として身につけないと活用できないと述べた。各学校では、基礎基本の習得に向け、授業の工夫改善に努めており、繰り返しの学習を設け、基礎の学習を一層充実させていくことが重要とした。
また、数学的思考力、数学的表現力も重要であり、子どもが自ら気付いたり、発見したりする子ども主体の学習、考えを話し合ったりする学び合いの学習も重要と考えている。
市教委では、学校の授業改善とともに、現在準備している学力向上推進事業においても、繰り返し学習できる機会を設けたり、一人ひとりにきめ細かく指導するなど、学習意欲の向上につながるよう取り組んでいきたい考え。
丸山議員は、「子どもたちは最初から、算数、数学が嫌いなわけではない。点数至上主義ではなく、子どもたち一人ひとりに寄り添い、指導や教材に工夫してほしい」と要望した。
飯野教育長は「高校で数学が苦手な子のほとんどは、小学校、中学校の算数、数学にプラスイメージを持っていないので、算数、数学が嫌いにならない、苦手意識を持たせない取り組みを強化したい。学力向上の突破口として、算数、数学を施策の柱に置いている。算数、数学に自信が持てると、他教科や生き方にも良い結果が現れると確信している。来年度から全小学校、中学校で、一斉に新しい取り組みを始めたい」と考えを示した。