歴史資料42万点を市に寄贈
(2013年9月5日)
上野国分寺資料は県内最大の個人コレクション
東国分寺町の住谷氏から、父子2代にわたって収集整理した42万点の歴史民俗資料が、このほど高崎市に寄贈された。
高崎市によれば、寄贈された資料は、古代の考古資料から現代の民俗資料まで多岐に及び、なかでも戦前から収集されてきた上野国分寺(こうずけこくぶんじ=高崎市・前橋市)の瓦(奈良・平安時代)は、蓮華紋や唐草紋をデザインした軒丸瓦(のきまるかわら)、軒平(のきひらかわら)、奉納者の名を刻んだ文字瓦など3500点があり、考古資料として県内最大の個人コレクションとして著名だったという。
山王廃寺(前橋市)から収集された奈良時代の塑像の頭部1点は、古代東国仏教美術の名品とされ、美術図録などにも紹介されてきたもの。
他に、戦時中にアメリカ軍が空から撒いた降伏を呼びかけるビラ(伝単)、美しいデザインのマッチ箱ケース、日本酒ラベル、駅のスタンプなど、近現代の資料も充実しているという。
高崎市では、寄贈された資料を、かみつけの里博物館などに収蔵して保存をはかるほか、整理を行い、市民に公開していく考え。かみつけの里博物館で、今秋に、寄贈された瓦を中心とした企画展を計画し、市民に観覧してもらう。
住谷氏は、代々続く国府村の名主総代で、親子2代にわたって収集、研究を続けてきた。今年3月、住谷氏は高崎市に寄贈を申し入れ、8月に寄贈の受け入れが整った。