日系ブラジル人の若者たちの葛藤を描いた青春ドキュメント
(2012年10月20日)
デカセギ青年たちのダンスグループ「フロワー・モンスターズ」
恋人と別れブラジルに帰るパウラは一家を支える
「孤独なツバメたち」シネマテークで20日から
20日からシネマテークたかさきで上映される「孤独なツバメたち」の津村公博監督(浜松学院大学教授)、中村真夕監督が17日に来高し、記者会見が行われた。
この映画は、静岡県浜松市で生活する日系ブラジル人の青年たちの日々を追い、厳しい現実と社会の矛盾の中で、自分の居場所を求めて力強く生きる姿を描いたドキュメンタリー。津村監督、中村監督が5人の日系ブラジル人青年を2年半にわたって追った。
製造業が多い浜松市には、デカセキの親とともに日本にやってきた日系ブラジル人の子どもたちがたくさん暮らしている。日本で生まれ育ってもブラジル国籍のため、義務教育は保障されておらず、中学校を中退して工場で働いている。待遇は悪く差別や偏見を受けながらも、生き生きと明るく懸命な姿は輝き、人間としての魅力的にあふれる。そして2008年、リーマンショックによる大不況で彼らは過酷な運命に翻弄される。
津村監督、中村監督は、運命を受け入れ、別れを繰り返しながら強くなっていく若者たちの姿、逆境に中で湧いてくる彼らの力を日本の同世代の若者にも知ってほしいと言う。浜松市の路上で声をかけ、長い時間をかけて日系青年たちと心を通わせたからこそ引き出せた、彼らの本当の言葉が綴られている。
群馬県内にもブラジル人労働者の多い地域があり、この映画は、私たちの隣で起こっているのに、今まで知ることを避けてきた真実を眼前に突きつけてくる。
上映は10月20日(土)から10月26日(金)。午後1時30分、午後5時45分、午後7時35分の3回。料金は一般1700円、学生1400円、シニア・高校生以下1000円。問い合わせはシネマテークたかさき、電話027・325・1744。