このままでは無秩序状態/残土条例の制定を
(2012年9月11日)
首都圏の残土が全部群馬に?議員が警鐘
建設工事から輩出される「残土」が首都圏から高崎に大量に搬入され、鼻高町地内に埋め立てられていることについて、運搬車輌の振動や粉塵、道路の傷み、有害物質が残土に含まれていなかいなどといった心配の声が地元から上がっていると、10日の高崎市議会一般質問で木暮孝夫議員が指摘し、「残土条例」の制定を市に求めた。
木暮議員は、鼻高町地内の埋め立て現場について「今年6月頃から残土の搬入が始まり、来年の6月頃まで4700㎡の山林に10万立方mの土砂を埋め立てる計画。10トンダンプで1万6千台になる。残土は廃棄物ではないため法の規制が無く、全国的に苦慮されている問題だ。崩落や土壌汚染が心配される」と説明。
「自治体で条例を制定し規制するしかないが、首都圏で残土条例を制定していないのは群馬県だけ。規制もなく首都圏に一番近くて運搬に便利な高崎市は、業者にとって搬入しやすく、このままでは高崎市は首都圏の残土捨て場になる」と警鐘を鳴らした。県内市町村では、桐生市、板倉町、藤岡市などが条例を制定し、災害の発生や土壌汚染の未然防止をはかっている。
高崎市では、条例制定について「事業計画が事前にわかり、防災や環境面について審査できる。手続きが事業者の負担感となり搬入件数の減少につながる」と効果を上げ、条例制定の準備を進める考えを示した。