高崎市長選/最後の追い込み
(2011年4月日)
投票日を目前に熱帯びる各陣営
高崎市長選の投票日を目前に、各陣営は22日に最後の追い込みに入った。
富岡賢治氏
富岡賢治氏の陣営は夕刻から高崎駅西口ロータリーで街頭演説会を行った。富岡氏は、昨年9月に高崎市長選への立候補を決めた時の支持者は5人だったが、支援の輪が着実に広がり、多くの市民が集まっていることに感謝を述べた。
富岡氏はよりよい高崎市になるため、まず、高崎で子育てや教育がしっかりできるようなまちづくりの必要性を述べた。さらに年代を問わず就職できるまちづくり、買い物やスポーツ活動が盛んに行われるまちづくりなど、商業都市である高崎市の活性化をしていく必要性を強調した。
また、同氏は、高崎市がビジネスの盛んに行われるまちである一方、雇用が確保されたまちを目指すことで元気なまちになると述べ、「高崎を活発なまち、面白いまちにしていこう」と呼びかけた。そのために、市長に当選の暁には、仕事を増やし、職業の確保を迅速に行うことを約束した。
富岡氏は「すばらしい皆さんの支援があるので、負けるわけにはいかない」と力を込め、新しいまちづくりのために、最後の最後まで支援をお願いしたいと訴えた。陣営では、「支持の拡大に勇気づけられている」と話す一方、残された戦いに心を引き締め、徹底ムードが一段と高まっている。富岡氏の行政改革能力と手腕、国際的な幅広い視点、豊かな経験、リーダーシップを強調し、即戦力の市長として富岡氏支持を強く求めた。
松本基志氏
松本基志氏の陣営は、市内各所で遊説決起大会を行った。松本氏は、金融機関での勤務と市議を通し、高崎に根付いた自身の経歴を強調。市民の声をしっかりと反映させる政治を行うと誓ったうえで、安全・安心なまちづくりを訴えた。
小中学校は大半が避難所に指定されていることから、児童にとってはもちろん、周辺の市民にとっても大切と、建物の耐震化を主張した。また、国立病院機構高崎病院が高崎総合医療センターになったことで、小児医療設備が充実したが、小児科医が足りない。この現状を改善する過程で、前橋市の日本赤十字病院など、周辺の大病院、高崎市内の中堅病院との連携を図りながら医療対策を行いたいと述べた。
福祉対策については、特に若い人の定住人口を増やすために、企業誘致条例を作ったうえで、企業を誘致、雇用を増やし、税収を増加させることで、高齢化対策を充実したいと語った。
「情報公開と市民参加が高崎市政には必要」と述べ、市民サービスを重視したわかりやすい市政運営を市民に訴えた。陣営では、市議会議長の経験など、松本氏のリーダーシップを強調し「市民の思いを一つにまとめ上げていくリーダーは松本しかいない」と話す。「リーダーとしての松本の資質が市民に浸透している。手応えを感じる」と、最後まで戦いを前に進めていく気構えだ。
寺田昌弘氏
寺田昌弘氏は、選挙カーでの街宣活動は行わず「名前を連呼するだけで意味がないと思う。選挙広報で浸透をはかりたい」と、街頭で政策ビラの配布に徹した。寺田氏は、高崎市の成人式企画委員の後、高崎市青年連絡会議に加わり、全日本選抜車椅子バスケット大会などの運営ボランティアを20年つとめた。ボランティア活動は、高崎市の行政が応援してくれたので、高崎市に対して恩返しをする意味も含めて、市民参加型の市政を実現したいと市長選に立候補した。選挙事務所を置かず、仲間の力を借りて、お金のかからない選挙活動を行ってきた。
寺田氏は、子どもの頃にいじめを受けた経験から、いじめを許さない学校づくりを強調し、「いじめに無関心な教育者は排除したい」と学校に不定期にいじめ調査を行うなどの施策を考えている。また、ボランティア活動と活発化と老後の介護サービスを組み合わせたポイント制度を活用し、行政支出の削減を考えている。
中島篤氏
中島篤氏の陣営は、市内ホテルで集いを行った。集いでは、大震災で亡くなった人や、被災者への気持ちを込め、国家斉唱を行うなど、中島氏が掲げた「日本は一つ・心は一つ」を前面に打ち出した。中島氏は「市民の代表として戦っている。大震災では、あってはならない災害だが、しっかり対応しなければならないことを実感した。被災者をやさしく助けられる高崎市にしたい。市長としてしっかりと仕事をしたい。最後の最後までみなさんの支援で支えていただきたい」と訴えた。中島氏は、「100項目の政策で最後まで論戦を行いたい。そして市長として政策を実行したい。仕事の場を与えていただきたい」と力を込めた。
陣営は、「危機管理の第一人者は中島と言われてきた。市議8年、県議8年の実績が中島の強み」と県議時代の実績を強調。「大澤知事はじめ、県議の応援が集まっている」と述べた。参会した支持者に「中島支持は高崎市全域に広がりつつある。勝利を確信するためには、投票には行くが、まだ誰に投票するか決めかねている人への依頼を徹底していくしかない。5人の人に中島支持をお願いしてほしい」と残された戦いに、全力を傾ける方針だ。