高崎社協がボランティア支援
(2011年4月15日)
福島市ボランティアセンター
被災地へ職員を派遣。現地の体制不十分と心配も
高崎市社会福祉協議会は、大震災の被災地支援のため、4月1日から11日までに、3人の職員を福島県福島市や岩手県山田町に派遣した。3月まで、現地の受け入れ体制が整わず、派遣ができなかった。
派遣した職員は、現地でボランティアセンターの運営や介護などの支援を行った。福島市でボランティアセンターの運営を支援した職員は、「被災地では、ボランティアを受け入れる体制が整っていません。ボランティアは、現地で自立して活動できるだけの心構えと装備が必要です。これからゴールデンウィークにかけて、多くのボランティアが被災地で活動すると予想されますが、ボランティアセンターの少ないスタッフで対応できるか心配です」と話している。
また、山田町に派遣された介護職員は、避難所となった小学校体育館で、生活を共にしながら支援を行った。「私が派遣された山田町の避難所では被害が大きく、支援が遅れ、医師や看護士もいません。1カ月の避難生活で、今まで元気だったお年寄りが体調を崩しています。介護が必要な高齢者を抱えた家族は、『もう疲れました』と話していました」と、危機感を持っている。
お年寄りや障害を持った人への支援が行き届かず、現地の力だけでは対応できない一方、医療や介護などのボランティアが不足し、受け入れ体制も整わない状況を目の当たりにしたという。山田町では、道路部分の片づけが終わったところで、被害を受けた個人宅まで手が及んでいない様子だという。
被災地での支援拠点となるボランティアセンターは、その地域の社会福祉協議会によって担われることになっており、社協やヘルパーなどのネットワークによって、応援職員が派遣される。
また、高崎市社協では、本市に避難してきた被災者の要望に沿った支援を行っており、市民のボランティア登録も100人を越えているそうだ。理髪業ボランティアによる散髪は好評だったという。災害救助法が適用された地域の世帯に対しては無利子の生活福祉資金の貸付も行っている。高崎市社協では、本市に避難した人達への支援は、現在の局面では収束に向かっていると見ている。
被災者へのボランティア支援は、高崎市内で行う場合も、被災地でも、ボランティア側の専門分野・能力分野と、受ける側のニーズのマッチングが重要だという。また、支援ボランティアに参加する人は、被災地は、そこで暮らす人達が愛している場所、ふるさとであることを大切にしながら活動してほしいという。