改善続くが一部に陰り/高崎地区の景況
(2011年1月6日)
エコカー補助金の終了や円高、海外経済の動向など不安感
高崎信用金庫は平成22年「10月~12月」期の高崎地区の景気動向調査の結果を発表した。
この調査は、同金庫の取引先349社を対象に、4半期ごとに実施されている。 業況の流れは、平成21年の夏以来、改善基調が続いているものの、一部に陰り見える結果となった。
前期「平成22年7月~9月」期の予想では、製造業、卸売業、建設業、サービス業でわずかに上昇、小売業で横ばい、総体での景況感はわずかに上昇を予想した。
今期の実績は、製造業でやや上昇、卸売業で小幅上昇、小売業でわずかに上昇と前期の予想を上回り、建設業でほぼ横ばい、サービス業で横ばいと前期の予想を下回った。相対での景況感はわずかに上昇となり、前期の予想通りの結果となった。
全業種合計の業況判断指数(DI)はマイナス31となり、前期のマイナス37から6ポイント上昇。製造業、卸売業、小売業が上昇したことから、全業種では6期連続の改善となった。このうち、家電エコポイント縮小前の駆け込み需要から小売業で家庭電気器具・機械が好調だったものの、エコカー補助金の終了により製造業で輸出用機械器具、同関連、小売業で自動車が大きく落ち込むなど、一部には景気回復への陰りも表れている。
「平成23年1~3月」期の業況予想では、業況判断指数(DI)はマイナス42と、今期に比べ11ポイント低下し、やや低下を予想する結果となった。
耐久消費財に関する政策効果の反動や円高・海外経済の動向といった不安材料から、景気の先行きに対する不透明感が増しており、慎重な見方をする企業が多いようである。