長寿命化と建て替えの平準化対策を
(2010年12月6日)
公共施設の老朽化、約半数が築30年越え
高崎市は、高崎市議会一般質問で逆瀬川義久議員の質問に答え、学校の校舎や公民館、市道の橋梁などについて、老朽化の現状を示した。
学校施設については、市内95校・園の全建物棟数の経年数が示された。築20年経過が85%、30年経過が54%、40年経過が10%となっている。公民館は全44館のうち、20年経過が89%、30年経過が52%、40年経過が7%となっている。20年経過が8割以上、30年経過が5割、40年経過が1割となっている。
建て直す場合は、最近の例では校舎が10億7千万円、体育館が2億3千万円、公民館が1億8千万円。いずれも用地、旧建物の解体、設計料は含まない。
市営住宅は、97団地4102戸あり、昭和40年代から50年代の高度成長期に建設された建物が多い。高崎市では、市営住宅の長寿命化計画を策定し、平成23年度から32年度までの10年間で計画的な保守、建て替えを行う。老朽化が進んでいる現状もあり、全棟の1割程度が、耐用年数を迎えている。
道路橋梁では、長さ15m以上の229橋について点検を実施し、市営住宅と同様に高崎市では、長寿命化をはかっていく。およそ5%の橋梁が更新時期を迎え、20年後には30%になるという。橋梁の掛け替えには莫大な費用を要するため、市では、事後対応的な補修から、予防的な対応を中心とした計画に切り替えて実施している。
逆瀬川議員は、40年以上経過した校舎を建て替えるだけでも90億円から100億円の費用がかかることを試算し、高浜クリーンセンターなど大規模な建て替え工事も目前であることから、「台帳を作り、公共施設を一元管理することも必要だ。老朽化や建て替えの計画が市民にわかるように『見える化』してはどうか」と提案した。
高崎市は「財政負担を平準化させていくことが重要で、将来を見据えて対応したい。一元管理の有効性について検討したい」と考えを示した。