「小栗上野介展」が開催中/14日まで
(2010年12月6日)
東善寺・村上住職のギャラリートーク
シティギャラリー。小栗公の業績を写真、資料で紹介
高崎シティギャラリーで、4日から遣米使節150周年記念「小栗上野介展」が始まった。幕末の偉人、小栗上野介公の生涯をパネルや遺品で紹介する。
小栗公は、神田駿河台の旗本の家に生まれ、外国奉行、勘定奉行、軍艦奉行など幕府の要職を務めた。慶応4年(1868)、倉渕に隠棲していた小栗公は無実の罪で捉えられ、倉渕の水沼河原で斬首され、非業の死を遂げた。
同展は、万延元年(1860)に小栗公が遣米使節の一行として日米修好通商条約批准書交換等の任務を果たし、帰国してから150周年となることから企画された。遣米使節の業績、アメリカでの歓待や、小栗公が見聞を広めた様子なども、当時のアメリカの新聞や現地写真で詳しく紹介されている。特にワシントン造船所を見学した小栗公が、日本の近代化を構想し、幕府内部の反対にあいながらも横須賀造船所の建設を進めた業績などがわかり、見応えのある展示となっている。
また、会場には小栗公が最期に乗った「かご」の実物が展示され、小栗公を捉えた高崎藩との史実を伝えている。
5日のギャラリートークでは、小栗公ゆかりの寺である倉渕・東善寺の村上泰賢住職が、資料を見ながら小栗公の一生を解説した。展示資料には、東善寺が収集、所蔵している資料が数多い。村上住職は、幕末の変動期に埋もれてしまった史実と、日本の近代化の礎を築いた小栗公の功績を語りながら、「今まで小栗公の業績が低く評価されてきた。正しい歴史認識と理解を深めてほしい。小栗夫人を守った村人たちの功績も忘れてはいけない」と来場者に訴えた。倉渕地域では、顕彰会を中心に小栗公を語り継いでいる。
同展は、12月14日(火)まで。午前10時から午後4時30分。入館は午後4時まで。入場無料。ギャラリートークは、11日(土)、12日(日)午前11時と午後2時。