発達障害児の支援で高崎市が業務を拡充
(2011年5月26日)
今年度に発足した支援センターの業務を来月から拡充
高崎市は、発達障害を持つ子どもたちと、その保護者を支援するため4月に「こども発達支援センター」を新設し、相談、指導業務を開始した。
同センターは、高崎市役所4階に設置され、保健師、保育士、臨床発達心理士など9人が常駐する。乳幼児から中学生まで、専門家が一貫した支援を行うことで、発達障害が原因で不登校になってしまうなどの二次障害を防ぐ。これまでは、子どもの年齢によって所轄部門が変わってしまっていたが、同センターがワンストップサービスを行う。
センターには毎日3、4件の相談があり、相談者は増加している。相談者は、保護者が多く、「学校で友だちとうまくいかずに不登校になってしまった」、「子どもの対応に手をやいて困っている」など、切実だという。教育現場からの相談や、学校に勧められて相談に訪れる保護者もいる。
センターでは、6月から保育所や学校への訪問相談を開始するほか、関係機関とのネットワークを強化するため、夏以降に「こども発達支援協議会」を発足させる予定。
発達障害の子ども達へ支援は、早い段階から始めることが大切とされ、乳幼児健診と連携し、早期発見につとめていく。乳幼児向けの支援体制として「にこにこルーム」を設置してサポートしている。
7月には講演会を実施し、市民への啓発をはかっていく。
同センターの活動は始まったばかりだが、潜在需要の大きさを感じさせている。現在、来庁した相談者を待たせることはないそうだが、発達障害の子ども達のサポートや、保護者や教育現場の悩みにきめ細かくこたえるため、今後、相談や支援の体制強化も求められそうだ。