県内初のリサイクル飼料プラント事業化へ
(2010年10月20日)
産学協同で高崎食品リサイクルループ協議会
産学協同で、地域による食品循環リサイクルめざす高崎食品リサイクルループ協議会(会長=大宮登・高経大副学長)は、県内初となるリサイクル飼料プラントの事業化に向けて大きく動き出した。同協議会は、年次にわたる準備を経て、今年1月に設立された。
同協議会は、食品の売れ残りや製造調理過程で発生する野菜くずを飼料としてリサイクルし、その飼料で育った家畜を食材として活用する地産地消プロジェクトで、地域内でのリサイクル循環(ループ)を創出するのが目的。スーパー、ホテル、大型店、食品加工、流通、廃棄物処理、飼料加工業者、環境NPO、農業生産者などが協議会に参加し、各メンバーの役割やコストなど具体化に向けて検討を進めている。
協議会メンバーのIRM株式会社による飼料化プラントがこのほど稼働し、県認可のメドが立ったため、19日に関係者に公開された。食品廃棄物を農作物や園芸の肥料としてリサイクルする事業は、高崎市の学校給食などで既に取り組まれているが、畜産飼料化プラントの実現は、これが県内初となる。リサイクルで生産された飼料の成分や安全性、供給の安定性など、肥料に比べ要求水準が高い。このプラントでは野菜残さを原料とする100%植物性の飼料を生産するため、排出者の分別の徹底、衛生面に配慮した輸送なども求められる。
リサイクルプラントは、1日に29トンの処理能力があり、原料からでる臭いを取り除くためにシャワーとオゾン脱臭装置を装備している。使用した水は、水蒸気として排出される分以外はリサイクルされる。飼料は、直販のほか、配合飼料メーカーやJAに卸していく計画だ。
協議会に参加しているスーパーからは「排出物のリサイクル率を高めるのが企業の使命」と事業効果に期待された。特に食肉については、「輸入飼料に依存している現状は、地域の環境負荷を高めるだけ」と警鐘され、「地域内での資源循環が、環境保全に貢献する」と指摘された。
協議会では、農林水産省の「再生利用計画認定制度」の申請手続きを進めていく予定。