電気館をまちなか活性化に活用
(2014年1月22日)
昭和の面影をそのまま生かす
柳川町の高崎電気館が高崎市に寄付され、22日に富岡市長から所有者の廣瀬公子さんに寄付受納書が現地で渡された。
高崎電気館は、高崎で初めての常設映画館として百年前の大正2年(1913)に開館し、市民に親しまれてきた。現在の建物は、昭和41年に建てられたもので、平成13年の閉館後も、所有者の廣瀬さんが維持に努めてきたため、当時のままの姿を保ち、映画などのロケにも使われてきた。昨秋の高崎音楽祭では、電気館で復活イベントが2日間限定で行われ、満席の来場者を集めた。
このほど、廣瀬さんから高崎市に電機館の土地、建物の寄付の申し出があったため、高崎市では、建物を今のまま保存し、まちなかでの市民活動や文化発信拠点として活用していくことを決めた。廣瀬さんは、現在の電気館の建物を、長く保存して欲しいと強く望んでおり、市も廣瀬さんの気持ちを尊重していく。
電気館の建物は地下1階、地上4階で、地下を除く延べ床面積は1182㎡。1階は地域の活動拠点とし、講習会、講演会も開催できるスペースとして整備。2階はそのまま映画館として使い、シネマテークたかさきに運営委託を検討している。
高崎市では、耐震検査などを行って整備し、今年8月に「高崎市地域活性化センター(仮)」として開館させる予定。通称として高崎電機館の名称を残す考え。
富岡市長は「電気館は市民の思い出の場所であり、昭和の風景をそのまま残す貴重な文化遺産。廣瀬さんの希望もあり、できるだけこのままの姿で使っていきたい」と話している。
廣瀬さんは「建物をこのまま維持していくのが望みであり、高崎市に感謝している。寄付については長く考えてきたことで、市民の皆さんに足を運んでもらい、当時を懐かしみ、まちがにぎわいが取り戻せればうれしい」と笑顔で語った。