いじめられている人の立場に立とう
(2013年12月11日)
高崎市いじめ防止会議で小中学生が話し合い
高崎市内の小中学生が、いじめ防止を話し合う「高崎市いじめ防止会議」が7日(土)に高崎市役所で開かれた。
会議には、小学校全校から代表2人と、進行まとめ役の中学生、合わせて144人が参加した。今夏開催された群馬県の「いじめ防止サミット」で採決された「勇気、思いやり、協力」をテーマに、グループ討議を行った。
グループ討議の中で、各校の取り組みが発表され「仲間はずれは絶対にやめよう」、「一人ひとりがいじめに対して、いけないことだと意識することができた」、「朝、明るくあいさつすることで一日が明るくなり、いじめをなくすことにつながる」などの成果が上げられた。また、休み時間や登下校の時など、先生の目につきにくいところでいじめが起こっていることや、日本では、学年が上がると、仲裁する人が減り、見て見ぬふりをする人が増えるといった調査結果も示された。
話し合いの結果、勇気では「自分の思いこみであきらめず、決めつけず、強い意志をもって心に秘めた勇気を行動化していこう」、思いやりでは「心の中に持っている思いやりを気配り、心配りなど具体的行動で見える化していこう」、協力では「一人ひとりの思いを言葉でつなぎ、同じ目的を持ちお互いに声をかけあい行動を合わせる協力をしていこう」と話し合いの内容がまとめられた。
中尾中の関根君は、グラスに中に注いだ水を心に例え、「いじめられている人の心には悲しみの水がたまっていく。水があふれたら人の心はどうなるか。心の中の悲しみの水をスポイトのようにすくい、心の堤防となることが大切」と、この日の話し合いをまとめた。
飯野教育長は「みなさんの一人ひとりの思いを学校に持ち帰り、友達に伝えてほしい」と、児童生徒の今後の活動に期待した。
昨年度、中学生を対象としたリーダー研修を行い、いじめが6割減少した成果を踏まえ、今回、小学生を対象とした子ども会議を行った。飯野教育長は「数が減ったことを喜ぶのではなく、数に出ないいじめに気付くことが重要。いじめを報告できる子ども達は救えるが、深刻ないじめは調査に出てこない」と、更なる取り組みの重要性について述べた。