バリーカレボー高崎工場オープン
(2013年11月15日)
グローバル企業の国内生産拠点が操業
スイスに本社を置く世界最大のチョコレート会社、バリーカレボー社の日本拠点工場が高崎市宮原町の森永製菓高崎工場敷地内に完成し、14日にオープニング式典が行われた。
チョコレートやココア製品を生産するバリーカレボー社は、世界中に50以上の拠点工場を持っている。アジア地域にはチョコレート生産工場が4カ国にあり、高崎市に完成した新工場は、日本国内の唯一の拠点工場で、尼崎市から移転し、今年8月に操業開始した。日本法人のバリーカレボージャパンの本社も高崎市宮原町に置かれた。
新工場は、年間に2万2千トンのチョコレートを生産する能力を持ち、日本国内で1年間に消費されるチョコレートの約1割を生産できるとともに開発部門も備えている。投資額は約20億円。従業者は55人で、ほとんどが高崎市内から雇用された。同社では、3年以内に7千トン増産していく計画。
記者会見に最高責任者のシュタインマンCEOが出席し、「高崎市の工場はお客様との距離を縮め、当社の国内事業を支える重要な柱となる。日本のマーケットは非常に魅力的であり、国内工場が高崎に移転したことで、大手食品メーカーやグルメ市場の顧客とのアクセスも用意になる。新商品の共同開発や連携の強化など、更なる成長に向けた戦略的な意味を持っている」と高崎を拠点に国内戦略を展開する考えを示した。
同社チョコレート部門・アジア太平洋地域ネグレン代表は「日本はアジア太平洋地域の成長市場。今回の新製造拠点は、日本、アジア地域のチョコレート産業に対する信頼の証であり、事業の拡大に取り組んでいきたい」と話している。
バリーカレボージャパンの中野文孝社長は「今回の新工場設立により、国内生産力の強化や国内市場に向けた新製品投入に全力で取り組んでいることが顧客に示せた。高崎は高速交通により輸送が便利だ。世界トップクラスの最新技術を誇るチョコレート工場を新設することができ、大変誇りに思う」と意欲を示している。
森永製菓の森永剛太取締役会長は「更なる戦略的パートナー関係の強化をはかり、双方の成功と発展に向け、これからも緊密に取り組んでいきたい」とメッセージを寄せている。
高崎市の産業では食品工業が多いことから、富岡市長は「高崎市の工業出荷額も向上する」とあいさつし、高崎市の発展につながるものと期待した。
【バリーカレボー社】スイス・チューリヒを拠点に2012/13年度売上52億ドル。カカオ豆の調達・加工、チョコレート製品の生産を一貫して行う。世界に50以上の拠点があり従業員8500人。アジア太平洋地域で7カ国に拠点、従業員約2000人。日本には2004年に営業拠点を設置。