体罰の根絶へ/信頼関係を基盤に適切な指導を
(2013年9月12日)
部活動の勝利至上主義などが原因に
高崎市教育委員会は、9日の高崎市議会一般質問で、清塚直美議員、堀口順議員の質問に答え、市内小中学校での体罰根絶について、これまでの取り組みを説明した。
高崎市では、今年2月の群馬県教育委員会からの依頼にもとづき、体罰の実態調査を、保護者、児童生徒、教職員を対象に実施した。回答は、匿名で封筒に入れて提出するなど、実態を把握しやすいよう実施した。
調査結果では、高崎市では、懲戒処分に相当するものはなかったが、部活動や授業中に、児童・生徒の頭をたたくなど、不適切な指導があり、今後、同様の問題が発生しないよう、本人と校長に対し、厳重に注意、指導した。
部活動指導中の体罰や不適切な指導は、勝利至上主義や閉鎖的な環境の中で発生しやすい傾向があるため、各学校では勝利至上主義や、特定の生徒に過度に負担がかかることがないよう、教育長通知をもとに指導を行っている。中学校体育連盟には、4月の理事・評議員会で部活指導における体罰根絶を求めた。
また、5月に文部科学省からガイドラインが示され、長時間にわたる無意味な正座や直立、水分を与えない長時間のランニングなども体罰にあたると、具体例が示された。8月には、群馬県の指導資料の改訂版で、体罰の未然防止が大きく打ち出された。高崎市教委は、教職員が生徒との信頼関係を基盤に、適切な指導を行うよう、各校に指導した。
子ども達や保護者から体罰や不適切な指導などの相談があった場合、事実関係を調べ、安心して学校生活が送れるよう、学校への指導や保護者へのアドバイスを行っている。