屋内型「立体庭園・農園」の開発とブランド化へ
(2013年7月11日)
国の認定受け、しみづ農園と富久樹園が連携
造園業の株式会社しみづ農園(清水一秋社長、柴崎町)と、果樹農家の富久樹園(富澤登代表、下里見町)が連携し、屋内型「立体庭園・農園」の開発やブランド化をめざす取り組みが始まった。
この連携の取り組みは、8日に国の「農商工等連携事業計画」の認定を受けた。
しみづ農園では、これまで立体花壇の開発を進めていたが、顧客の需要を満たすためには、多種の花卉、植物を使用することや、店舗など特殊な設置条件でも植物を美しく保つ技術が必要だった。一方、富久樹園は、花卉栽培にも取り組み、果樹などを鉢植えにして小さく育てる矮化技術を持っているが、販路開拓が課題だった。2社が連携することで、四季折々の立体花壇を販売することができ、両社ともに売上の向上につなげることが可能となった。
立体花壇は、高さ2m、横1・8mほどで、灌水(いわゆる水くれ)の循環などが、自動化され、商業施設のディスプレイ、パーティションなどに応用できる。果樹が実れば収穫でき、アイデア次第で使い方も広がりそうだ。
「農商工等連携事業計画」は、平成20年に創設され、中小企業者と農林漁業者とが有機的に連携し、それぞれの経営資源を有効に活用して、新商品の開発・生産もしくは需要の開拓又は新サービスの開発・提供もしくは需要の開拓を行うもので、国の認定により総合的な支援が受けられる。群馬県内の認定は、累計で8県目。
10日に市内ホテルで認定式が行われ、関東経済産業局の反町次長は「四季折々の果樹を矮化し室内で農園、花壇を作るといったモデルが先進性で優れている。計画が着実に進み、早くこの商品が市場に出ることを願っている」、関東農政局前橋地域センターの山崎センター長は「地域農業に競争力をつけることが課題であり、連携を通じ付加価値を高める取り組みを推進していきたい」と、今回の計画に期待した。
しみづ農園の清水一也会長は「しみづ農園、富久樹園ともに創業百年の記念すべき時に、事業認定を受け、しっかりとがんばっていきたい。持っている知恵を形にできるようチャレンジしたい」、富久樹園の富澤代表は「お客様に、どうやって自分の思いを伝えるか考えてきた。今まで培ったネットワークを生かし、思いを集めていきたい」と意欲を見せている。