胃がん対策で「ピロリ菌健診」拡充に
(2013年7月9日)
全国に先駆けたABC健診
富岡市長は、胃がんの原因となるピロリ菌を発見するABC健診の制度拡充を来年度から実施していく考えを、高崎市議会6月定例会で、木暮孝夫議員の質問に答えて示した。
胃がんの原因の95%がピロリ菌の感染に由来することが明らかになり、高崎市では、高崎市医師会の先進的な取り組みによって、全国に先駆け、胃がんのリスクとなるピロリ菌感染を血液検査によって調べるABC健診を、胃がんバリウム健診と平行し、平成23年度から導入している。
ピロリ菌感染は、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎を経て、胃がんへと進行するリスクとなる。ABC健診はこのリスクを発見するもので、判定に応じて、治療や精密検査を行う。
感染者は、年輩者に多く若年者少ないが、30歳までに除菌するとほぼ胃がんにならないことが推計され、高崎市では40歳から70歳までの5歳きざみの節目健診に加え、20歳の新成人を対象とした無料のピロリ菌健診も実施している。 本市の胃がんバリウム健診の受診率は5%弱、ABC健診の受診率は17%。20歳を対象としたピロリ健診は、2・2%と低い。
バリウムを飲むことに抵抗がある人もおり、胃がん検診の受診率が低迷するなか、ABC健診の成果は注目されている。バリウム健診は、国の指針によって唯一認められた胃がん検診の手法となっており、高崎市ではABC健診と併用していく考え。
富岡市長は「国の指針はバリウム健診に置かれ、すぐになくすわけにはいかないので併用になる。ABC健診は、一次予防として有力な手法で、来年度から拡充していきたい」と考えを述べた。