消防局が関越道バス事故の対応を報告
(2012年5月21日)
4月29日(日)の出動状況を説明
関越自動車道藤岡JCT付近で46人が死傷したツアーバス事故について、高崎市等広域消防局は、事故が発生した4月29日(日)未明からの救急・救助活動を高崎市議会・総務教育常任委員会に報告した。
今回の事故は、藤岡市で発生したが、関越自動車道における消防相互応援協定に基づき、高崎市等広域消防局が第一次消防機関となった。
消防局は、群馬県広域災害救急医療情報システムを今回初めて活用したこと、2回の救急部隊増強要請、DMAT(災害派遣医療チーム)要請などについて時間の経過を追って説明した。「人命救助を最優先させた。バス後方から煙が出ていると連絡を受けていたので消防も出場した。救急救命士がトリアージを行い、緊急度の高い重傷者から搬送した」と状況を述べた。群馬県のDMATが事故現場に到着するのが事故の発生から2時間かかったことについて、消防局は「現在、群馬県が検証している。事故現場では救命救助に可能な限り対応したので理解してほしい」と答えた。
発生日時
◇発生日時:4月29日(日)午前4時51分。東日本高速道路岩槻道路管制センター(さいたま市)から、事故の入電。
◇発生場所:関越自動車道上り線藤岡JCT付近(藤岡市岡之郷)。
◇災害概要:金沢市から東京方面に向かう大型観光バスが高速道路左側の防音壁に衝突。
◇活動概要
(1)出場途上で人命救助最優先、警戒線の設定、現場救護所の設営、トリアージ実施、収容可能病院の把握、安全管理の徹底等を指示。
(2)現場到着後は消防隊による消火活動と平行し、救助隊、救急隊による救出救助活動及び指揮隊による各隊の活動管理。
(3)現場救護所における応急処置及び病院への搬送
◇時系列による主な状況
午前4:51(経過時間)災害覚知
4:55(4分)出場指令
5:07(16分)先着隊現場到着。到着後、各隊による消火、救出救助活動を実施。
5:10(19分)群馬県広域災害医療情報システムによる緊急通報発信(通信指令課)
5:14(23分)救急部隊増強要請(高崎市等広域消防局管内)
5:25(34分)群馬県消防保安課に第一報をFAX送信
5:31(40分)救急部隊増強要請(近隣自治体)
5:54(1時間03分)救急搬送開始。重症患者から搬送。
6:15(1時間24分)DMAT要請。
7:16(2時間25分)DMAT現場到着。医師によるトリアージ実施。
7:28(2時間37分)軽傷者搬送開始。
7:45(2時間54分)軽傷者搬送終了。
8:02(3時間11分)部隊縮小開始。
8:45(3時間54分)使用資機材確認、部隊撤収準備。
9:26(4時間35分)現場指揮本部閉局
(経過時間は本紙が追加)
◇出場隊と人員
高崎広域:指揮隊2、ポンプ隊3、救助隊2、救急隊8、運搬車3、合計18隊57人。
前橋市:指揮隊1,ポンプ隊1、救急隊2、合計4隊12人。
伊勢崎市:救急隊2、合計2隊7人。
太田市:救急隊2、合計2隊6人。
利根沼田:救急隊1、合計1隊3人。
渋川広域:救急隊2、合計2隊6人。
多野藤岡:指揮隊1、ポンプ隊1、救助隊1、救急隊2、合計5隊18人。
合計34隊、109人。