平成24年度予算編成/市長施政方針
(2012年2月27日)
平成24年第1回高崎市議会定例会
24日に行われた、高崎市議会定例会で、富岡市長は平成24年度予算について施政方針を述べた。
発言要旨は以下の通り。
1 当初予算の規模
平成24年度高崎市の一般会計予算は、1,532億5,000万円、前年度比1.9%の減といたします。また、一般会計、特別会計、企業会計を合算した予算総額は、2,495億3,892万3千円で、国民健康保険事業及び介護保険特別会計の給付費の伸び等により、前年度比1.1%の増でございます。なお、国の一般会計予算は前年度比2.2%の減、地方公共団体の予算編成の指針となる地方財政計画では、前年度比0.8%の減となっております。
2 予算編成の基本方針
本市の平成24年度予算編成にあたりましては、「既存事業の縮小・廃止及び徹底した事業費の削減」、「重点事業の積極的な推進」及び「人件費の圧縮」の3つの柱を掲げ、予算の全体的な見直しを図りながら、歳出総額の削減に努めるとともに重点事業等に財源を振り向けていくものといたしました。また、将来にわたり健全財政を維持していくために、基金等の活用など、財源の確保や財政負担の平準化を図ることにより、計画性のある長期的な視野に立った予算編成として取り組むことといたしました。
3 一般会計予算の概要
予算編成では、職員一丸となって既存事業の徹底的な検証等に取り組んだことにより、約150項目にわたり経費削減を行ったほか、人件費についても配置等を見直すことで、42人の圧縮を図るなど、行政事務費の削減を行いました。また、厳しい財政状況下ではありますが、第5次総合計画並びに「新しい高崎」の実現に向けた政策の中から、重点事業を選定し、スピード感を持って積極的に推進していけるよう、新規並びに拡大事業70項目について、重点的に財源を配分いたしました。以上のような調整を行い、市債残高は前年度と比較して3.2億円を圧縮するなど、一層の財政の健全化に努めることといたしました。
はじめに、歳入の概要でございます。市税は、震災や円高等の影響により厳しい経済状況が続いているものの、市民税個人では、年少扶養控除の廃止等により5.2%の増といたしました。法人では、震災等の影響もあって2.3%の減として見込んでおります。固定資産税については、評価替えの年にあたり土地や家屋の評価が下がることから4.3%の減を見込みました。
事業所税は、通年分の課税となることから16.9億円余りを計上し、市税全体では566億8,505万4千円としております。地方交付税のうち普通交付税は、地方財政計画の伸び率を勘案して150億円を、特別交付税は18億円を計上いたしました。繰入金では、財政調整基金から36.1億円、減債基金から10億円を繰入れるほか、地域振興基金2億円、福祉基金1.5億円などを取り崩して事業費に活用することといたしました。
市債では、建設事業等について緊急性や有効性等を考慮し、実施事業数を絞るなど発行額の縮減に努め、13.0%の減といたしました。
次に、歳出の主要な事業等については、「新しい高崎」の基本政策に基づき政策分野ごとに分類し説明いたします。
『教育と人づくり』
私立幼稚園に通う第3子以降の子どもについて、公立幼稚園同様、「保育料完全無料化」とし、子育て世代の経済的な負担を軽減いたします。小学生が合併地域の豊かな自然環境の中で農業体験ができるように「小学生自然体験活動事業」を開始いたします。
学校施設整備では、「校舎等の耐震化」を優先して推し進めるため、平成24年度で全ての小中学校・幼稚園の耐震診断を完了できるように予算を計上いたしました。また、「学校・幼稚園の暑さ対策」や「経済大学附属高校第二グラウンドの人工芝整備」などについても実施いたします。
スポーツ施設では、「菊地サッカー場(仮称)」や「グラウンドゴルフ場」を新たに整備してまいります。
経済大学では、「学生海外留学支援制度」の創設と新たに「まちなか教育活動センター」を設置するなど、積極的な学生の活動を応援し、本市の活性化につなげてまいります。
『産業の振興』
産業に関しては、震災の影響などから早期に回復できるような政策が必須であると考えております。
農業では「地産多消推進事業」を継続・拡大して実施し、本市の安全でおいしい農畜産物を積極的にPRしてまいります。
商工業では、新たにビジネス活性化緊急対策として「小口資金融資保証料の全額補助制度」の拡充、「創業者融資保証料の全額補助や利子補給制度」及び「中小企業機械設備導入支援事業」によるリース料金の助成制度を新たに創設し、高崎市独自の施策として、総合的に進めてまいります。事業所税に対する助成制度「中小企業経営安定化助成金」についても、中小企業者の経営基盤安定のために引き続き実施をしてまいります。
本市では、他市と比較しても非常に優位な制度とした「ビジネス立地奨励金」を創設しました、さらに「ビジネス誘致推進事業」を展開することによりキャンペーンや情報提供の拡大などを図り、本市への企業誘致に努めてまいります。
『文化と歴史を活かした創造的な高崎』
文化活動では、まちなかの賑わいや若者の自主的な文化事業への参加を促進するため、「まちなか音楽活動助成事業」を創設いたします。
群馬交響楽団が出演する「心に響く音楽会」や「やさしいクラッシック音楽会」を開催してまいります。
史跡の保存整備では、「日高遺跡」、「箕輪城跡」等の整備を継続して実施いたします。また、高崎まつりを彩る山車などの歴史的価値のある文化資産の修復等について、「伝統芸能備品等修繕費補助」を創設し、支援を行ってまいります。
『やさしい眼差しに満ちた市政』
児童福祉では、親子のふれあいを深める子育て支援事業として、読み聞かせの実施などを行う「ブックスタート事業」を新たに開始いたします。
高齢者福祉では、新たに「高齢者買い物支援事業」を実施し、バスツアーや移動販売の支援を行い、買い物難民「ゼロ」を目指します。
施設整備では、吉井地域に福祉相談や交流の拠点、デイサービス機能を併せ持った「吉井総合福祉センター(仮称)の建設」と老朽化した「吉井保育所の改築」にも着手いたします。浜川体育館、群馬体育館には、幼児用トイレ及び授乳室を設置する「子育て支援のための体育施設の改修」を行ってまいります。また、高崎市における特別養護老人ホームについて、緊急度の高い在宅待機者「ゼロ」を今年度の予算で実現することとし、「老人福祉施設等施設整備」を実施する社会福祉法人に支援を行ってまいります。
その他「多機能型住居整備調査」など、調査・検討を実施いたします。
『合併した地域の個性を活かした魅力づくり』
「小栗の里整備事業」では、倉渕支所の改修を行い、公民館機能や図書室機能等を有する、市民が利用しやすい施設として整備してまいります。
スポーツイベントでは、「ツール・ド・榛名(仮称)」、「マラソンフェスタin 榛名湖」として、榛名湖畔を中心に平成25年度に開催できるよう準備にはいります。
『安心・安全な地域社会づくり』
東日本大震災及び福島第一原発の災害発生に伴い、市民の安全や防災に対する考え方が高まっております。本市では災害発生直後から被災地への職員派遣や物資支援、被災者の受け入れを行ってきたほか、農畜産物への風評被害や放射線汚染に、いち早く対応してきたところでございます。平成24年度においても引き続き、市民の安心・安全に向けた取り組みを実施してまいります。
全ての小学校・幼稚園・保育園・特別支援学校の児童生徒に「防災頭巾」を配布することで、防災意識の啓発と訓練につなげていきたいと考えております。
放射線に対する不安等の解消を少しでも取り除けるように、新たに「測定機器を購入」するほか、給食食材、プール、農畜産物、焼却施設等の「放射線測定」を、市内全域において箇所数を増やし、継続的に実施してまいります。
快適な住環境への取り組みとして、地球温暖化対策の一助となる「太陽光発電システム導入経費の助成」を、広く多くの市民に利用いただけるよう継続して実施してまいります。
町内会や商店街が実施する「省エネルギー型街路灯の整備」には、設置・更新が積極的に行えるように、補助率や助成額を大幅に引き上げ、普及推進を図ってまいります。
斎場につきましては、老朽化した現在の施設に代わる「新たな斎場の建設」に向けて実施設計及び測量を実施いたします。
また、ペットの適正な管理については、社会問題となりつつあることから、「ねこの不妊・去勢」にかかる手術費用に対し、新たに助成を行ってまいります。
『大勢の人が歩き、賑わう街』
本市の拠点性と交通の利便性をさらに高めるため、「スマートインターチェンジの整備」や「高崎駅東口駅前広場の再編成」を促進するほか、区画整理事業や街路事業等についても継続して都市基盤の整備を推進してまいります。
「都市集客施設整備」については、建設に向けての基本設計に入りますが、大きなプロジェクトとなりますので「都市集客施設建設基金」を設置し、将来的な財政負担の平準化を図れるようにいたしました。
「たかさき雷舞フェスティバルの海外チーム招聘」、「外国人の誘客推進事業」、また、「多言語ホームページ及びシティーセールスパンフレットの作成」など、国外にも目を向けて、本市の観光資源をPR し、集客増を図ってまいります。
首都圏から近く、災害にも強い本市の特性を活かして「バックアップ情報機能センター」の構築に係る調査を行ってまいります。
被災した地域から本市のイベントに出展や出演が行えるように予算を計上し、市民一丸となって一日でも早く被災地域の復興ができるように応援をしていきたいと考えております。被災した地域から本市のイベントに出展や出演が行えるように予算を計上し、市民一丸となって一日でも早く被災地域の復興ができるように応援をしていきたいと考えております。