土地取得費用30%助成、限度額なし/誘致で奨励金制度
(2011年9月15日)
遅れ挽回し「うれしい悲鳴上げたい」と高崎市
高崎市は、市内への新たな企業誘致と市内企業の流出防止をはかるため、土地取得費の30%を限度額なしで助成する奨励金などを盛り込んだ「ビジネス立地奨励金」を創設する。15日の高崎市議会市民経済常任委員会で奨励金制度の説明が行われ、議会の同意が得られれば、10月1日から施行したい考え。
高崎市では、工業団地内に分譲できる土地がなかったために、企業誘致を積極的に進めることができず、誘致制度の取り組みも遅れた。
企業誘致の遅れとともに、ホームセンターの株式会社カインズが本社を高崎市から埼玉県本庄市に移転するなど、市内企業の流出も本市経済にとっては大きな懸念になっている。
高崎市は、都市間競争に勝ち抜く政策として、これまでの助成制度とは別に、新たな「ビジネス立地奨励金」を創設し、来月1日からのスピード施行で、立ち後れの早期回復をめざす。
奨励金制度の対象区域は、ビジネス立地重点促進区域として、高崎・玉村スマートIC周辺と、高崎操車場跡地の2地区を予定。対象施設は、事業者の本社・支社、事務所、研究所、工場、倉庫、物流センター、事業者のコールセンター、店舗、スポーツ施設など。全ての業種が対象。投下固定資産総額(土地・建物・償却資産の総額)が5千万円以上。
奨励金制度は、事業用地取得奨励金、施設設置奨励金、雇用促進奨励金、上下水道料金助成金、緑化推進奨励金、地球環境並びに省電力設備設置奨励金の6制度で、操業を開始した翌年度から交付する。
事業用地取得奨励金は、新たに取得した土地の取得費の30%(限度額なし)を1回交付。施設設置奨励金では、新たに取得した土地・建物・償却資産に係る固定資産税、都市計画税、事業所税資産割相当額(限度額なし)を5年間交付する。
常任委員会で、高崎市は、家電メーカーの誘致に200億円の助成を行った自治体の例なども示し、「他の自治体も危機感を持っていて、近隣から本市の企業に移転のアプローチが来ている。高崎市は交通利便性が高いが、他市と比べて遜色のない制度があって初めて選ばれる。誘致と流出しない努力に努めたい」と説明した。用地取得奨励金、施設設置奨励金の限度額が「青天井」になっていることについて議員から質問があり、「ナショナルブランドの企業を大規模誘致できれば、うれしい悲鳴になるだろう」と答えた。