大震災で売上への影響「ほぼ変化なし」
(2011年8月2日)
たかしん調査
高崎信用金庫は、「東日本大震災からの復興と中小企業」について、取引先357社に調査を行った。
大震災での直接的、間接的被害では、「物流の遅延・停止」が38・9%で最も多く、「原材料・資材・燃料の不足」34・7%、「消費自粛の雰囲気」34・7%、「電力不足」28・3%の順となった。
「物流の遅延」の業種別では、卸売業54・9%、小売業45・8%、建設業43・7%。「原材料・資材・燃料の不足」の業種別では建設業59・2%、製造業38・5%、卸売業29・4%。「消費自粛の雰囲気」では、小売業57・8%、不動産業44・4%、卸売業39・2%。「電力不足」は製造業39・3%、サービス業33・3%、卸売業27・5%。直接的、間接的に企業活動に影響を与えていた結果となった。
4月から6月の売上が、仮に大震災がなかった場合や例年の同月と比べての変化では、「10%未満の増減でほぼ変化なし」が51・3%と、最も多かった。「10%以上30%未満の減少」28・3%、「10%以上30%未満の増加」11・8%となった。
約半数の企業では震災による売上の大きな変化はなかったが、約3割の企業で売上が減少、1割の企業で売上増の結果になった。50%以上の減少が2・3%あった。
大震災の対応では「対策をとる必要はなかった」が61・9%で最も多く全業種で1位となった。「資金繰り・金融面の手当」14・0%、「人件費の削減」11・8%の順となった。仕入れ先や物流ルートのなどを含め、4割程度の企業が対応を行っていた。
復興支援としては「被災地への募金」63・0%、「省エネ・節電」61・9%となった。
日本経済の復興に大切なことは「政治のリーダーシップ」55・2%、「電力・エネルギーの安定供給」53・2%、「被災企業の復興」45・1%、「原発事故への適切な対応」39・5%の順となった。