群馬音楽センター開館50周年連続シンポジウム
(2011年7月26日)
7月25日(月)、26日(火)、28日(木)
群馬音楽センター開館50周年連続シンポジウムが、25日(月)から始まった。主催は群馬音楽センターを愛する会(水上勝之代表)で、26日(火)、28日(木)の3日間行われる。会場は高崎シティギャラリーコアホール。入場無料。
25日は、昨年2月に群馬音楽センターの恒久保存を宣言した松浦幸雄・元高崎市長の基調講演と「群馬音楽センターの誕生を知る人々」をテーマに座談会が行われた。
座談会の第一部は群響草創期のメンバーである安藤直典さん、風岡裕子さん、松井一雄さん、第二部は、日本舞踊家の西川扇生さん、西川扇二郎さん、松浦幸雄・元高崎市長が登壇した。司会は高崎新聞の新井重雄記者がつとめた。
基調講演で、松浦元市長は、高崎音楽祭や高崎マーチングフェスティバル、高崎映画祭など高崎市の文化について述べ、群馬音楽センターの保存を決めた理由について、群響の演奏の場や市民の芸術活動の場を確保していくことを重要とする観点から語った。
座談会の第一部では、群馬交響楽団の草創期と映画「ここに泉あり」などの話題に触れながら、多くの困難の中で、井上房一郎氏、丸山勝廣氏の構想が実現してきたことが語られた。群馬音楽センター建設のための資金集めでは「何でそんなものをつくるのか」という市民の声もあったが、完成後のこけらおとし公演に市民を招待し、芸術を鑑賞してもらうことで、どう使うのかわかり、市民の理解が広がったという。当時の水準では、音が良く、レーモンド設計の外観にも圧倒されたそうだ。
第二部では、群馬音楽センターを50年間使い続けてきたことが、高崎の文化を育ててきたのではないかと提起された。群馬音楽センターは、客席と舞台の一体感があり、観客の力が舞台に立つ者を育てているとし、高崎市民の文化を育てるホールだと指摘された。また、群馬音楽センターなど会館の照明、音響など裏方のスタッフと、出演者、観客が一体となって舞台を作り上げていると話された。座談会は「音楽センターを市民の誇りとして、使い続けていくことが大切ではないか」とまとめられた。
飛び入りで、群馬音楽センターのこけらおとしで、バレエ公演を行った貝谷バレエ団の大竹みか代表が登壇し、公演の思い出を語った。
26日(火)「群馬音楽センターとDOCOMOMO20選について」出演=鈴木博之(DOCOMOMO Japan代表)、岩崎淑(ピアニスト)、隈研吾(建築家・東京大学教授)、中原まり(米国議会図書館)、コーディネーター兼松紘一郎(建築家・DOCOMOMO Japan幹事長)。高崎市にDOCOMOMO選定プレート、松浦元市長にDOCOMOMO感謝状の贈呈式。
28日(木)「群馬音楽センターの50年と今後について語る」出演=鈴木滉二郎(明治大学特任講師)、赤羽洋子(高崎市民音楽連盟事務局長)、星和彦(前橋工科大学教授)、高井俊一郎(高崎市議会議員)、スペシャルパネリスト富岡賢治・高崎市長、コーディネーター熊倉浩靖(群馬県立女子大教授)。
午後1時30分開演。午後0時30分から開演まで、群馬音楽センター建設の様子を記録した貴重な映像を映写。会場内で、アントニン・レーモンドがデザインしたグランドピアノが展示されている。