高崎市指定文化財の指定
(2011年4月27日)
4月20日付で、6件の獅子舞を指定
高崎市は、平成23年4月20日付で、6件の獅子舞を指定文化財に指定した。今回の指定により、高崎市の指定文化財総数は317件となった。
並榎の獅子舞
保持団体:並榎町獅子舞保存会。
実施時期:かつては4月2、3日に並榎町の神明宮および高崎神社に奉納。現在は4月3日とその前後の土日曜日のいずれか。
流派:稲荷流。
沿革等:地域では明応3年(1494)に始められ、井伊直政が箕輪城から高崎城に移った慶長3年(1598)に豊岡の若宮八幡宮へ城主の参拝があった際にも舞ったと伝えている。流派はもと黒熊流。江戸末期までに衰退したため、明治初年に稲荷流を導入した。第二次世界大戦中は中断されたが、昭和24年に再開された。昭和43年には獅子舞保存会が組織され、その後は中断されることもなく、現在に至る。
大八木の獅子舞
保持団体:大八木町諏訪神社獅子舞保存会。
実施時期:諏訪神社の春祭り(3月26日・27日)、秋祭り(10月8日・9日)など。
流派:判官流。
沿革等:現在使用している獅子頭の裏に墨書で「宝暦10年10月7日当国碓氷郡下豊岡村彫刻師鈴木与七作」と記されていることから、少なくとも宝暦10年(1760)以前には獅子舞が行われていたことがわかる。かつては成人男子によって継承されてきたが、昭和47年から小学生に笛と舞を教え始め、現在ではかつて教えを受けた子ども達が指導者となり、次の世代へと受け継がれている。
飯塚の獅子舞
保持団体:飯塚町獅子舞保存会。
実施時期:夫婦薬師の祭典(4月8日)、飯玉神社の祭礼(10月19日)。飯玉神社の祭礼はもと9月29日であったが、昭和2年の高崎市合併後、10月19日となった。
沿革等:長泉寺の住職(11世大臥祐和尚とも12世機外了禅和尚ともいう)が寺子屋の筆子の士気向上のため、獅子舞を指導したのが始まりと伝えられる。五穀豊穣・災厄退散・村内安全を願って、飯玉神社の祭礼に奉納された。獅子舞の衣装箱に天明4年(1784)の銘があり、これが飯塚の獅子舞の最も古い記録といわれる。
台新田の獅子舞
保持団体:台新田町獅子舞保存会。
実施時期:稲荷神社の秋祭り(10月9日)に近い日曜日。
流派:稲荷流。
沿革等:台新田町の獅子舞は、鎮守である稲荷神社の祭礼に奉納されてきたもの。いつごろ始められたかは明らかでないが、獅子舞見物の禁止に関する岩鼻代官吉川栄左衛門宛の寛政11年(1799)の文書が伝わっており、この頃には既に獅子舞が行われていたことがわかる。昭和36年に獅子舞保存会が組織された。