郷土の句碑168基を取材・卒寿記念で出版
(2011年1月11日)
金井勝太郎さん
飯塚町の金井さんが句集。市内句碑も紹介
飯塚町の金井勝太郎さんが、句集「高崎の句碑―句集・雁行川の四季Ⅲ」(あさを社刊・A5版・128ページ)を出版した。金井さんが今年5月に卒寿を迎える記念として発刊。500部出版し、市内の小中学校、図書館、商工会議所などに寄付をした。句集では、自身の作品に加え、市内の句碑の大半である168基を紹介。小学生にも分かりやすいように、カラー写真で句碑を掲載し、場所、建立者、揮毫者、建立年を紹介。場所が分かりやすいようマップも付いている。「取材してみて松尾芭蕉の句碑が多いことに驚きました。村上鬼城の句碑が22基であるのに対し、芭蕉のものは26基。知名度の高さゆえでしょうね」と金井さんは調査の感想を語った。
句集の中の自身の作品は、身近な題材を取り上げたもの、自身の人生を回顧したものが多く、金井さんの人生観がよくわかるものに仕上がった。タイトルにある雁行川は、自身が生まれ育った舘地域の近くを流れる川。今回の句集は3作目であるが、1、2作にも故郷を詠った句がたくさん掲載されている。俳句を続けたことで、今まで何気なく過ごしていた世界に、たくさんの「気づき」があることが分かったという。毎日欠かさないという趣味のウォーキングの最中も周りを観察し、自然の豊かさ、ありがたみを噛み締めているそう。
金井さんは、昭和18年に俳句と関わりをもつようになったが、翌年、召集令状が来たために、断念。その後は俳句との縁が途絶えていたが、昭和61年に高崎市中央公民館で行われた俳句講座へ参加し、以来、現在まで俳句を作り続けている。現在は電気工事会社の会長を務める傍ら「高崎こうねん俳句会」会長としても活躍している。書籍の問い合わせはあさを社TEL : 327-1161。