地場産農産物の配送を円滑に/学校給食で利用拡大
(2010年11月9日)
JA直売所と連携し、地場産農産物を学校へ配送
高崎市は、自校方式給食で使用する地場産農産物の配送を、JA高崎の協力で改善し、利用の拡大をはかった。
高崎市では、平成6年から農薬の使用量の少ない安心安全な食材の確保と、地産地消を通して学校給食による食育を推進してきた。学校周辺の生産農家と連携して、地元農産物を活用してきた一方、生産者から直接学校に納入していたため、時間や距離の問題が伴っていた。調理時間に納品が間に合わない、校区内の生産者だけでは、農産物の種類や量が限られてしまう、合併した地域の特産物の活用が難しいなどの課題があった。
現在、学校給食の農産物の納入については、自校方式では、八百屋などの青果業者と、こうした地場生産者となっている。
高崎市教委は、今回、JAの協力で地場生産者の配送ルートを確立し、これまで抱えていた問題を解決した。地場産農産物を学校に納入している生産者は、生産農家21戸と各地域の農業グループ、JAなど12団体あり、これまで各者が個別に納めていた方法から、JA直売所に集荷し方面別に配送する方法に切り替えた。
JA直売所のグル米四季菜館筑縄店、中居店、群馬八幡駅前店を拠点に、方面別の8ルートで学校や幼稚園に農産物を配達する。
高崎市教委では、流通上の課題を解決し、農産物を提供でき、今まで以上に食育の充実がはかられると期待している。生産者も運送や包装資材の節減、配送時間の短縮でコストの節減につながる。
センター方式の食材については地域の農業団体、八百屋などの青果業者から仕入れている。また、地場産野菜のはざかい期にあたる季節は、県内産、国内産の野菜を使用している。例えば、じゃがいもは6月7月が高崎産の旬の時期で、その他の月は県外産地となっているという。市教委では、青果業者、地場生産者が共存できるよう発注上の配慮、工夫を行い、今回の配送方式が円滑に運用できるようにしていきたいと考えている。