高崎だるまの年間生産個数/公称数を90万個に
(2010年11月4日)
群馬県達磨製造協同組合が発表。風説に終止符。
群馬県達磨製造協同組合は、高崎だるまの年間生産個数を約90万個と発表した。高崎市とその周辺地域で同組合に加盟する工房は現在55軒だが、この数字は原型のみを専門に生産する主力工場数軒の生産量をまとめたもの。
これまで、高崎だるまの生産数について、はっきりした指標がなかったのも事実だ。高崎観光協会などの数字で年間120万個から150万個と言われていた。平成20年11月に高崎商工会議所が会報で高崎だるまの特集を編集するさい、同組合に行った取材では、高崎だるまの年間生産量は80万個と推計されていた。また、全国での位置づけに対しては、「日本一の生産量」、「全国屈指」「全国シェア8割」などと表現されてきた。同特集の中では、高崎以外のだるま産地の生産数として、福島県白河市の生産量は年間15万個、埼玉県川越市の生産量は40万個とされているが、「生産量は大づかみな数字で、精度については疑問符が付くのを否めないが、高崎が全国屈指であることは明らかだ」と結論付けている。
今回の組合の発表は、高崎だるま原型の生産数をまとめたもので、こうした議論に終止符を打ちそうだ。
組合では、平成18年10月に群馬県で第一号認定となる地域ブランドとして、「高崎だるま」の認定を受け、粗悪品を排除し、かたちや色、顔つき、品質をしっかりと継承する取り組みを行っている。したがって、「高崎だるま」と定義されるだるまは、同じ原型で生産されており、今回の数字は、「高崎だるま」の流通実態を把握するものとなるだろう。一方、小さなだるまなど、さまざまなバリエーションを考えると、実際の生産個数は、この発表を上回るものと考えられそうだ。
組合では「最盛期より生産が減少しているものの、組合青年部の新たな取り組みもあり、より丁寧なだるまづくりが行われている」と考えを示している。