「授業がわかる子どもたち」93%
(2010年10月26日)
高崎市教委の21年度事業点検・評価
高崎市教育委員会は、平成21年度の教育行政について、点検・評価結果をまとめた。社会教育、図書館、学校教育、子どもたちの心身に健康と体力づくり、教育環境づくり、青少年健全育成、文化環境、生涯スポーツの8分野について、「高崎市教育ビジョン」による10年計画の中での実施状況や事業効果を検証している。結果については、識者の意見を求め、課題が示された。21年6月に合併した吉井地域は、22年度から反映される。また21年度は、新型インフルエンザの影響で、講演会など中止された事業もあった。
社会教育では、現在、1万9千人の生涯学習推進員について2万人体制をめざす。地域に密着した活動を展開する公民館事業は、21年度に乗附公民館が文部大臣表彰を受けるなど、全国に誇れるものとなっている。地域人材の活用では、人材バンク登録数4569人について6500人を目標とする。
図書館事業は、新図書館の建設、榛名図書館の建設推進がはかられた。全市の図書館資料は前年度よりも2万4千点増加し、107万4千点となり、IT化による利便性向上に向け、準備が進められた。市民への貸出数は増加しており、22年度は232万点をめざす。
学校教育における子ども達の学習意欲の向上では、「授業がわかると答えた児童・生徒が8割以上いる」学校の割合が、93%となり、目標の90%を達成した。高崎市の子ども達は、学習の基礎・基本は身に付いており、わかる授業を通じて基礎学力と学ぶ意欲の向上に努める。職場体験は、97%の生徒が自分の生き方に役立っていると感じている。
自校方式給食は、21年度は久留間小、榛名中を整備した。22年度は下里見小、下室田小を整備する。
中尾中校舎改築を進め22年度に完成する。校舎等耐震補強は16棟を行い、市立幼稚園から高校まで含めた耐震化率は60%となり、目標を上回った。22年度は65%を目標とする。
青少年健全育成では、「子どもを守る家・店」が4379カ所となり、目標の4100カ所を達成した。登下校時の地域の自主パトロールなど、地域の子どもを地域で守る運動が積極的に行われている。子どもフェスティバルは、参加者1万4千人で目標の約2倍となった。非行の早期発見や未然防止のため街頭指導を1400回行った。平成21年度の県の非行少年の検挙・補導数は1644人で中高生が全体の64%になっている。平成15年をピークに減少傾向にある。悩み事相談は、170件で年々増加している。
文化環境づくりでは、日高遺跡史跡公園整備、箕輪城跡保存整備、北谷遺跡史跡公園を進めているほか、埋蔵文化財調査、文化財保護事業を実施している。
生涯スポーツの普及では、体育協会に委託したスポーツ教室に4300人が参加した。学校体育施設開放では、約66万人が利用し、目標を6万6千人上回った。スポーツ施設は123万人が利用し、目標を5万人上回った。施設整備では、群馬地域運動広場の建設を進めた。
高崎市教育委員会では、評価を踏まえ、市民の満足度、理解度などを把握するなど、事業の再構築と新事業の取り組みについて検討していく。