特設水上舞台で、一夜限りの幻想の舞/洞窟観音
(2010年9月28日)
9月26日の午後7時から、高崎観音山洞窟観音徳明園で日本舞踊家・藤間信乃輔さんと二胡奏者・劉済平さんのコラボレーションイベント「悠久の魂」が行われた。
イベントは、同園の池の中に設営されるという珍しいステージで行われた。劉さんが5曲の独奏を行い、観客が酔いしれた後、二胡の侘び寂びたっぷりの音色に合わせた藤間氏が水面を波立たせることなく、全身白の衣装で登場。同園を造った山田徳蔵翁の思いと彼への畏敬の念を表現した「悠久の魂」、女性の立ち居振る舞いを意識した「和こころ舞~癒し~」を披露。当日は、雨であったが大勢の人が傘をさしながら幻想的なひと時を堪能した。
「このような素晴らしい場所をみんなに知ってもらいたかった。そのために自分のできることは何かと考えました。よそ者である自分を暖かく迎えてくれる皆さんへの感謝の意も示したかった」と信乃輔さんは開催の経緯について語った。
高崎信乃輔倶楽舞会長の小見勝栄さんは「彼を同園へ連れて行ったときに、ここで上演させてくださいと申し出てくれて大変うれしい。今後も年に1度は高崎で上演していきたい」と語っている。
日本舞踏家・藤間信乃輔さんは、石川県出身の33歳。故藤間勘紫乃師に日本舞踊を学び、平成6年に家元故藤間紫師から信乃輔の名をもらう。古典芸能としての舞踊のすばらしさに加え、感じたことを表情や足の運び、手の動きで表現しようと活動。パリ・ロンドン・テキサス・東京歌舞伎座、国立劇場など、国内外での舞台に多数出演している。昨年はコア・ホールで「今昔時の融合」を上演。
劉さんは中国上海生まれ。幼い頃から二胡をたしなみ、来日後精進。水墨画家でもあり、群馬県各地にニ胡と水墨画教室を持つ。中国美術家協会上海市会員、中国当代芸術界名人録に記載。