南陽台にカワウの営巣地/抜本的な対策困難
(2010年9月23日)
全国的に、カワウによる河川の魚類被害が問題になる中、高崎市でも対策に苦しんでいることが、高崎市議会の荻原節子議員の一般質問で示された。
カワウは全長130cmになる大型の鳥で、魚類を補食し、おうせいな食欲による被害が全国で深刻化している。一日の飛行距離も長く、関東圏に2万羽が生息していると試算されており、生息数は増加傾向にある。
高崎市では、平成5年に初めて飛来し、烏川で200羽が確認された。以降、県内では1000羽が確認され、河川に放流されたアユや鳴沢湖のワカサギが、カワウによって大きな被害を受けた。
現在、吉井地域の南陽台に営巣地があり約400羽が確認されており、衛生・環境面でも対策が必要となっている。平成20年に33羽、21年に31羽を捕獲しているが、個体数に大きな変化は見られない。営巣地は南陽台団地に近いため、捕獲のための銃器使用には住民の理解が必要であり、高崎市では、捕獲活動に限界があると感じている。
鳴沢湖では、カワウが着水しにくいよう、釣り糸を張るなどして対策を行ったが、有効な対策は確立されていない。高崎市は「追い払っても、カワウが別の場所に移動し、新たな被害地域をつくるだけ」と苦しい様子だ。