命ふりしぼった議員活動。山田議員が逝去
(2014年1月6日)
高崎市議会12月定例会一般質問での山田議員。
市議会録画配信から許可を得て掲載
12月議会で障害者施策を質問
がんの闘病の中で高崎市議会議員として議場への登壇を続けていた山田行雄議員が昨年12月25日に59歳で逝去した。高崎市議会9月定例会、12月定例会では、車椅子で登壇し、命を削るかのように議員の使命を全うした気骨ある議員だった。
山田議員は昭和29年生まれ、国労高崎支部書記長をつとめ、平成15年に高崎市議に当選し3期目だった。地元六郷地域のまちづくりに尽力し、市内の最終処分場問題などにも積極的に取り組んだ。また長く高崎映画祭のボランティアスタッフもつとめた。
山田議員の最期の登壇となった12月定例会では、「どう生きていくか自分なりに結論を出していきたい」と話し、本市の障害者施策について一般質問を行った。
山田議員は、車椅子の生活を通じ「外食するにもお店に迷惑をかけてしまうのではないかと躊躇してしまう」と述べ、障害者が暮らしやすい社会環境づくりを進めるために高崎市の理念を浸透させていくことが重要だとただした。
高崎市では、誰もが安全で快適に暮らせる生活環境の確保と地域社会づくりに取り組み、歩道の段差解消や公共施設の出入り口のスロープ化、福祉対応型トイレ整備などを行っている。一方、こうした整備は公共施設を中心としたもので、民間施設のバリアフリー化に強制力を持っていない。県条例では、民間施設の努力が求められている。市では、民間施設について、バリアフリー化に特化した補助制度を持っていないが、リニュアル助成事業等により、障害者や高齢者にやさしい店舗に改修してもらうことを働きかけていきたいとした。
山田議員は、観光面でも対策の必要性を強調した。高崎市の調査で、県内の温泉地の宿泊施設で、バリアフリーに対応しているのは約2割程度、車椅子で入浴できるのは、家族風呂に車椅子用のリフトが備えられているのは伊香保、水上、草津に各1カ所となっている。また、入浴施設を車椅子対応にするための公的な補助制度はないようだ。高崎市では、車椅子でも入浴できる施設を増やしていくことが、障害者、高齢者の幅広い社会参加につがるとし、関係部局や県内温泉地の観光協会などへ働きかけなど研究していきたいと答弁した。
富岡市長は「福祉には優先的に配分すべきだと考えている。これまでの補助金を障害者や高齢者の福祉にどう活用できるか、あらためて見ていく必要がある」と考えを述べた。
山田議員は、高齢者、障害者を含めた観光戦略を要望し「私もこれからがんばっていきたい」と決意を述べていた。