群響、来年度から公益財団法人へ
(2012年12月7日)
県が移行初年度の円滑運営をめざす
5日の群馬県議会11月定例会一般質問で、群馬県は南波和憲議員の質問に答え、群馬交響楽団が来年4月に公益財団法人の移行することについて考えを示した。
県によれば、公益財団法人に移行すると、税法上優遇措置がある一方、純資産が2年連続で300万円未満になると解散が適用される。
群馬交響楽団では平成22年度に経営を長期的に検討し、安定経営に向けた5カ年計画・中期ビジョンを策定。この計画では、地域に根ざし日本を代表するオーケストラを目標に、演奏力、芸術力のレベルアップ、地域文化の創造、自立的経営の確立など5つの戦略を柱に掲げ、23年度から計画実行のアクションプランに取り組んでいる。音楽監督就任による責任体制も確立できた。企業協賛の拡大や運営経費の縮減などの経営改善にも取り組んでいる。近県での演奏活動の成果も現れている。
南波議員は、群響演奏会の一人当たり平均入場料が2024円で、山形交響楽団の2872円、全国の3793円と比べ安いことを指摘し、演奏レベルも低く見られてしまうことを危惧した。また、経営の責任者を明確にする必要があると指摘した。
群響は平成21年度に定期演奏会の入場料を値上げし、収入増をはかっている。県は、群響の定期演奏会入場料は、他の地方オーケストラと同程度で、2000円のC席など定期会員以外にも広く門戸を開いている料金により、将来のファン獲得につなげていけると考えている。
群響の方向性については大きな課題であり、県は、子どもたち音楽の感動を与える移動音楽など地域貢献活動を原点としながら、全国的の評価を得ている演奏水準を更に高め県民に愛されるオーケストラにしていくことが重要だと考えている。県は、来春の大友直人音楽監督の就任により、地域に密着しながら世界を志向するオーケストラとして発展できると期待している。
公益財団法人移行に際し、経営体制を固め、現在82人の理事を20人に絞り、評議員の構成も見直す。理事、評議員は音楽団体や経済団体の参画を求め、退任することになった理事は顧問として群響を支えてもらう。県では、来年度、公益法人移行初年度として円滑な運営を行っていきたいとしている。