新斎場の計画を精査/高崎市
(2011年8月24日)
現在の斎場(2011年2月撮影)
経緯を踏まえた上で規模など見直しも
高崎市は、23日の高崎市議会斎場・環境施設建設調査特別委員会で、寺尾町で計画している新斎場について、精査する考えを示した。
現在の斎場は、老朽化と火葬炉の不足、バリアフリーに対応していないなど施設の問題を抱えており、高崎市は、隣接した仮設野球場に新しい斎場の建設を計画している。
新斎場の建設は、過去の総合計画で予定されながら長く積み残された事業で、現行の第五次総合計画の後期に予定されていたが、早期着工が望まれることから、昨年度に基本構想の策定とパブリックコメントの実施が行われた。
この基本構想では、事業費として40億円から48億円が見込まれ、合併特例債を主な財源とすることが示されていた。富岡市長は、建設費の縮小を視野に入れ、計画を精査する考えを特別委員会で示した。富岡市長は「今までの議論をふまえ、無駄を省き、できるだけ早く新しい案を示したい」と考えを述べた。
高崎市は、前橋市が新しく建設した斎場の例を示し「建設費は約35億円で、合併特例債を使った前橋市負担は13億8千万円で、事業費の39・4%」になっていると、合併特例債を使っても、相応の負担が生じることを説明した。
基本構想のパブリックコメントまで進んだ事業を、市長が見直しを判断したことについて、議員からは「華美である必要はないが、使い勝手が良く、一定水準以上の施設は高崎市に必要だ」、「合併特例債といえども借金。財政的な縮減は市民目線からも重要であり、同時に良質な市民サービスも重要だ」などの意見が出され、事業費の縮小には賛意があった。
斎場は、一般的にはいわゆる「迷惑施設」になり、周辺地域の住民感情が事業を左右することもあるが、高崎市の場合は新斎場について住民理解が得られていることもあり、富岡市長は「まちがいのない対応をしたい」と述べた。