特養、救急告示病院の自家発電導入促進を
(2011年8月23日)
高崎市が補助制度の拡充と創設
高崎市は、非常用自家発電装置の導入を促進し、市民の健康と安全を守るため、特別養護老人ホームに対する補助制度の拡充と、救急告示病院に対する補助金の創設を行った。
特別養護老人ホームの非常用自家発電装置への国庫補助は、人工呼吸器、酸素療法、喀痰吸引の機器作動に限定されているため、受水槽ポンプの稼働に必要な電力供給などは対象となっていない。高崎市は、中核市移行に伴い設置・認可権限が移譲された特別養護老人ホームを対象に、国庫補助の対象になっていなかった受水槽ポンプの稼働に必要な非常用自家発電装置の設置費用の一部を補助するため制度を拡大した。補助率は2分の1で上限は150万円。対象となるのは11施設で、高崎市は、これから要望を調査する考え。
また、高崎市は、市内の救急告示病院について非常用自家発電装置の設置状況について6月、7月に調査を行った。高崎市内には、災害拠点病院2病院を含む18の救急告示病院があり、発電能力に差異はあるものの、18病院全てで非常用自家発電装置を保有していた。
しかし、多くの病院では、非常用自家発電装置の電力は、最小限の施設維持や、照明、消費電力の少ない医療機器に限った使用となっていた。18病院のうち、停電になっても、自家発電で一般外来患者が受け入れられるのは17病院、外来救急患者が受け入れられるのは11病院、救急搬送患者の受け入れができる病院は7病院、緊急手術ができるのが4病院、CTやMRIを使って検査ができる病院は2病院で、停電時には救急医療に大きな支障をきたすことがわかった。
停電時の救急医療に問題があることは病院自身も認識しており、高崎市が補助制度を創設することによって、平成23年度、24年度で10病院が自家発電装置の能力拡大の意向を示した。
補助の対象は、法的に高崎市が補助できない国立病院機構高崎総合医療センターを除く17病院。補助率は2分の1で、上限額は救急告示病院が1病院当たり2千万円、災害拠点病院は5千万円。23年度の補助金額は8千万円ほどが見込まれ、高崎市議会9月定例会で補正予算に盛り込む予定。なお国立病院機構高崎総合医療センターでも、非常用自家発電装置の増設を検討しているが、建家を含め3億円が必要という。