図書館指導員制度が効果を上げる/市内小中学校
(2011年6月15日)
「学校図書館を充実させる」と教育長
高崎市は、14日の高崎市議会一般質問で、白石隆夫議員の質問に答え、今年度から制度化した図書館指導員の効果について議会に報告した。
小中学校の図書館で資料の貸出などを行う図書館指導員は、前年度までは学校ごとにPTA会長が雇用する変則的な形態となっていたため、高崎市全体の指針もなく、同じ人が長期にわたって勤務したり、学校によって取り組みの格差が生じるなどの問題が指摘されていた。
高崎市教育委員会は、今年度から図書館指導員を高崎市の臨時職員として採用することで、指導員の役割を明確にするとともに、研修で資質向上をはかっている。学校の図書館には、子ども達に読書指導を行う読書センター機能と、調べ学習を行う学習情報センターの機能があり、研修では、実際の図書館活動ですぐに役立つ実践事例などの講習を受けている。指導員は、単に貸出の事務を行うだけではなく、新刊やお勧め図書の紹介、本の内容を語って子ども達に興味を持たせるストーリー・テリングといった活動を通じて、読書の楽しさを伝える重要な役割を担う。また、調べ学習では、子ども達が求める資料のアドバイスなども行う。指導員が紹介した本は、貸出回数が増えているという。
こうした指導員の活動は、「工夫してもらえてありがたい」と各学校から評価を受けている。
また、パソコンによる図書資料のバーコード管理システムの導入が、現在、全校の40%程度であることから、市教委ではシステム化を進めていく考え。
白石議員は、図書館にぬいぐるみや鑑賞植物を置き、子ども達の癒しにも役立っていることを紹介し、学校図書館の役割の重要さを強調した。図書館には、休み時間に一人で静かにすごしたくて来る子や、指導員と話しをしたくて来る子もおり、子ども達の心が安らぐ場所となるように工夫することも重要だ。
飯野教育長は、一冊との出会いが自分の人生を変えた経験に触れ「読書は心を動かし、将来の夢を育む。子ども達の健全育成にも寄与する。指導員の役割は重要であり、学校図書館を充実させたい」と考えを述べた。