乳幼児のHib・小児用肺炎球菌、中高生の子宮頸がんの接種中止
(2011年3月8日)
8日に行われた保健常任委員会に報告
高崎市は、今年2月から予防接種費用の助成制度を実施していた、任意予防接種の中の乳幼児のHib(ヒブ)、小児用肺炎球菌、中高生の子宮頸がんの接種および助成を一時中断することを3月8日に行われた高崎市議会保健福祉常任委員会に報告した。
中断の理由は、中高生の子宮頸がんに関しては、ワクチンの供給元であるグラクソ・スミスクライン株式会社より、需要過多により、ワクチンが提供できなくなったことが報告されたため。子宮頸がんワクチンに関しては1回目を接種後1ヶ月後に再接種、その半年後にもう1回接種する必要がある。そのため、すでに接種を開始している人は、ワクチンを確保するが、新規の接種は平成23年度から行うことができなくなる。同社の報道によると、接種再開の目途は、安定供給ができてからで7月頃になるという。
同接種は、高校1年までの女子が対象となっているが、供給不足が原因で3月末までに接種できない現高校1年生は、4月以降高校2年になっても、供給が出来次第接種ができるようになる。
乳幼児のHib(ヒブ)、小児用肺炎球菌の接種に関しては、全国で5名(3月8日現在)の乳幼児の死亡が確認されたため、3月4日に国が接種中止を発表。市も5日の診療開始時間前に、関係機関に連絡を行った。国は3月8日に副反応検討委員会を緊急に開催。調査を行っている。
子宮頸がんは女性特有のがん。発がん性ヒトパピローマウイルスというウイルスによる感染が原因で、子宮頸部(子宮の入り口)にできる。20代から30代で急増し、日本では年間約1万5000人の女性が発症している。予防ワクチン接種助成対象者だったのは、中学1年生から高校1年生相当の年齢の女子。
Hib(ヒブ・インフルエンザ菌b型)は、乳幼児に化膿性髄膜炎、敗血症、肺炎などの全身感染症や中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎などの気道感染症などを起こす。助成対象者だったのは、2か月以上、満5歳未満の乳幼児(満5歳の誕生日の前日まで)。
肺炎球菌は、細菌による子どもの感染症の二大原因の一つ。子どもの多くが鼻の奥に保菌していて、時に細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎といった病気を起す。かかりやすいのは生後3ヶ月以降から5歳くらいまで。ワクチン接種対象者だったのは、2か月以上、満5歳未満の乳幼児(満5歳の誕生日の前日まで)。