城南雨水滞水池が完成/4月から稼働開始に
(2011年3月7日)
合流式下水道地域の未処理放流を抑制
城南雨水滞水池が完成し、4月1日より稼動を開始する。この雨水滞水池は、雨天などで、処理場の能力を超えて流入する汚水を一時貯留する施設。
高崎市は下水道を早い時期に導入した反面、旧市街地は、雨水と汚水が同じ管渠に流れる合流方式が採られている。昭和2年から40年代前半にかけて、建設された合流方式は589haで、高崎市では、このうち30haを雨水と汚水に分け、分流方式化した。残り559haについては、既設の水道管、ガス管、地下ケーブルなどを再整備する必要があり、分流化事業を行うには、多くの費用と時間が必要となる。
合流方式では、近年のゲリラ豪雨などにみまわれた場合、一時的に城南処理場の処理能力を超え、未処理放流されてしまうことが懸案となっていた。処理能力を超え、オーバーフローした下水をこの滞水池が貯え、晴天時に再度処理施設に下水を返送し、処理した後に烏川に放流する。
国は、合流式下水道の未処理放流に対処するため、同方式の下水道がある全国191自治体に対し、補助枠を設け、分流式と同等の水質保全、衛生環境の向上をはかるよう求めてきた。滞水地の整備は、海に面した都市では進んでいるが、内陸では遅れているという。高崎市では、烏川が注ぐ利根川水系の水質を守り、下流域や都心部に良質な水を供給する責任から、滞水地の建設を進めてきた。
工事は平成18年着手。総事業費は約27億円。貯留能力は15000トン。3月23日には、先立って通水式が行われる。