高崎市自治基本条例/素案公表で反響
(2011年2月1日)
パブリックコメントを受け、2月14日に修正案。
昨年12月15日から今年1月14日まで実施された高崎市自治基本条例素案に対するパブリックコメント募集で、232人、403件の意見が寄せられた。高崎市が実施したパブリックコメントでは、群を抜く件数で大きな反響だった。提出者は、高崎市内が123人、高崎市外が109人。
条例案に対する意見では、高崎市の最高規範とすることがふさわしくない、条例中で使われている市民・住民の定義、自治とまちづくりの定義などに関するものが多かった。この条例が市長、議会の権限低下を招くのではないかという指摘もあった。
この素案では、「市民」が高崎市で活動する全ての人として広義に位置づけられ、市内に住所のある「住民」と使いわけられている。「自治」と「まちづくり」など、書き手が意図した文意が、読み手に伝わりにくいことも、誤解による反発意見を招いている。
住民投票について、素案では投票資格については何も記述されていないにもかかわらず、外国人参政権を認めるのは反対とする論調の意見が多くあった。この条例案では、外国人も高崎市のまちづくりを進める主役の一人として理解され、住民投票の投票資格については書き及んでいないことは明らかだ。条例中に投票資格が記述されていないことが、不安材料となったことも考えられる。
自治基本条例の制定と外国人の参政権について、強い不快感を持っているグループがあり、高崎市にかかわらず同条例の制定を進めている自治体に対して、インターネットを通じて組織的に反対意見を投じている動きがあった。同じ時期に、自治基本条例のパブリックコメントを募集している自治体があり、宛名を誤って高崎市に送信してきている例もあった。400件の意見の中には、理由もなく、ただ「反対」とだけ書かれている意見が50件あった。
高崎市は、意見を反映させた修正案をとりまとめ、2月14日に高崎市議会に報告する予定。