少しの勇気が人を助ける/認知症徘徊模擬訓練
(2010年11月12日)
認知症の高齢者にやさしいまちづくりを
11月11日、高崎市長寿社会課は、徘徊模擬訓練を行った。認知症の高齢者が行方不明になったとき、できるだけ早く発見して保護する仕組みを高崎市に充実させるための訓練で、認知症の理解促進、見守り・安心ネットワークや関係機関への情報提供について検証する。
訓練は高齢者が認知症による徘徊で帰宅をせず、所在が分からなくなったと想定。職員が高齢者に扮して市内を徘徊し、スタッフがその様子を観察、検証する。情報発信は、発信したのは警察からのファックス(金融機関159、深夜スーパー32、ガソリンスタンド60、パチンコ店31)安心ほっとメール2170通徘徊訓練のルートは、総合福祉センター→高崎信用金庫本店→日英堂→高崎駅→高崎駅前郵便局→市役所。
タクシー運転手、ガソリンスタンドの店員、銀行員などから5件の通報があった。そのほかにも「何かお困りですか」「何かお探しですか」「どうされましたか」など、声をかけてくれる人もいたという。
訓練後は、医療関係者、警察署、認知症関連団体従事者なども参加した、訓練報告会が行われた。高齢者に扮した長寿社会課長は「声をかけてもらったときは、うれしかった。高崎もまだ捨てたものではないな、と思った」と話した。
しかし、徘徊経路に人が少ないこと、駅近辺になると人はいても、周囲の人に注意を払っていないことなどが分かり、今後、どういう風に情報を発信すればよいのか課題が浮き上がった。また、徘徊者のことを気に留めているが、声をかけなかった人も多かった。徘徊者か不審者か分からないので、行動を起こさなかったのではないかと推察。今後、認知症と認知症サポーターに対する啓蒙活動を強化することが必要だと指摘された。