文化財保護賞に戸塚さん、小祝神社
(2013年2月25日)
貴重な文化財の保護に尽力
平成24年高崎市文化財保護賞授賞式が22日に高崎市役所内で行われた。
今年度は、群馬県指定史跡「倉渕村長井石器時代住居跡」出土土器等38点を寄附した倉渕町の戸塚政男さん、高崎市指定重要文化財「小祝(おぼり)神社本殿附(つけたり)享保元年棟札・享保二年奉納額、享保四年寄進銘」の保存管理を行っている石原町の小祝神社が受賞した。
倉渕村長井石器時代住居跡は、昭和25年に開墾作業中の敷石の一部が発見され、その後の発掘調査で敷石住居であることが確認された。遺跡発見時に発見された土器など38点が高崎市に寄贈され、かみつけの里博物館に収蔵される。史跡指定地115㎡は、平成17年に倉渕村に寄附され、現在高崎市が所有している。
小祝神社は、延喜式神名帳に記載された上野十二社の一つで、間部家文書などから、戦国時代に本殿が焼失し、正徳3年(1713)から再建、享保5年(1721)に竣工したと推定される。
附(つけたり)として指定された享保元年棟札は、小祝神社の別当寺である石昌寺の第4世亮珍(りょうちん)が本殿建立に際して高崎城主・間部詮房(まなべ・あきふさ)の武運長久を願って奉納したもの。享保二年奉納額は、上棟に際して奉納されたもので表面に間部詮房の歌、裏面に建物再建と額奉納の経緯が記されている。
富岡市長は、「高崎市の大切な文化財を後世に伝えるために守っていただき、ありがとうございます。維持管理には手間と費用がかかると思いますが、これからもよろしくお願いします」と感謝の意を込めた。
受賞者を代表して、小祝神社の松本宮司は「戦争中は空襲で焼けてしまうと心配されました。受賞は関係者の大きな励みになり、これからも保護に努めていきます」と受賞の喜びを語った。