新しい高崎の創出へ/東口都市集客施設
(2012年4月21日)
「パブリックセンター」理念に基本計画案
高崎市は、高崎駅東口に建設を計画している都市集客施設の基本計画案をまとめ、20日の高崎市議会・都市集客施設特別委員会に報告した。
基本計画では、都市集客施設を市民、企業、行政が主体的に関わり、新しい高崎を創出するシンボルとなる「パブリックセンター」と位置づけ、整備方針を打ち出している。
基本的な考え方として、
- 東日本有数の交通拠点都市。関信越で唯一の商都。この特質を活かした「高崎らしい施設」。
- 広域交流拠点性を十分に発揮するため、JR高崎駅と高速道路を最大限活かした施設。
- 「群響のある街」「音楽のある街」の歴史と特性を活かし、高崎のブランド力を高める施設。
- 21世紀は文化と共感によって人々が主体的に集まる時代。次世代の都市集客の方向性を示す施設。
- 新しいニーズと価値観を生み出し、上信越と首都圏を結ぶ国際業務都市としての集積を促進する施設。
- 高崎の街をつくってきた進取の精神に学び、国際的なビジネス活動や市民活動を支援する施設。
- 37万市民一人ひとりの高崎への共感と民間の英知を最大限に活かした施設。
- 「新しい公共」の考え方に基づき、新しいサービスの創造や提供を目指したパブリックな都市施設。
- 「つくる」から育てるへ。「エリアマネジメント」で高崎の都市経営を見据えた施設。
- 都市集客施設の運営マネジメントを担う人材の計画的育成と市民の創造活動への支援活動。
を挙げている。
集客施設は、東西の2つのエリアで構成され、東エリアに音楽ホールとコンベンション施設、西エリアにビジネスゾーンの配置が考えられている。
音楽ホールは、群馬交響楽団の本拠地ホールとしてクラシック音楽を中心に幅広いポピュラーコンサートに対応したメインホール、室内リサイタルや演劇、講演会など小規模イベントに対応した小ホール、創造活動をサポートする拠点としてスタジオによって構成される。
メインホールは1800席から2000席、残響を確保するとともに、ポップス、ロックなどポピュラーコンサートに対応した舞台機能を備える。音楽センターで不足していた搬入スペースの確保や楽屋などアメニティ施設も充実させる。
小ホールは、250席から300席で、音質にも配慮し、市民コンサートなどにも使いやすい施設とする。スタジオは4室から5室を備え、個人練習室、音楽レコーディングスタジオなど北関東で最高レベルの創造拠点としていく。
コンベンション施設は、大規模な国際大会、全国大会、学会、見本市などの開催が可能なイベントスペースで、1000人を収容する。分科会に対応し、可動式壁によって大きさを変更できる会議室20室を備える。
ビジネスゾーンは、商業施設、オフィスゾーンから成り、高崎駅東口エリアの業務機能の集積を更に増大させることで、コンベンション施設の稼働を高め、経済の活性化と新たなビジネスチャンスの創出をはかる。
当初、集客施設内への建設が考えられていた体育館は、音楽ホール、コンベンション施設と催事が重なった場合、過大な交通量が懸念されるため、別の場所に建設することが望ましいとされた。
施設規模は、ホールが2万5千㎡、コンベンションが9千㎡、商業ゾーンが2万から4万2千㎡、オフィスゾーンが1万3千㎡、駐車場は、1500台の立体駐車場が考えられている。
施設全体の概算事業費は400億円から460億円。市街地再開発補助金、合併特例債などを有効に使い、高崎市の建設時の負担金は50億円から65億円、合併特例債の償還金は20億円から25億円で、合計70億円から90億円と試算されている。また年間の維持経費は4億円から4億8千万円が算出されている。
富岡市長は「高崎に人を集めてビジネスを盛んにし、エキサイティングなまちづくりを進める施設として考えている。市議会、市民の考えを聞き、国や県の意見もいただき最終的なかたちに持っていきたい」と考えを示した。
特別委員会の審議では、コンベンション利用の見込みや、コンベンション誘致主体となるビューロー組織、商業ゾーンの開発手法などが質疑された。