農とまちをつなぐ新たなビジネスを/高崎CIP
(2011年3月9日)
前田正尚さんの基調講演
CIPメンバーの活動報告
「高崎まちづくり市民主導宣言シンポジウム」を開催
高崎でコミュニティビジネスの担い手を育成し、起業の促進をはかっている有限責任事業組合(コミュニティビジネス起業育成プログラム)が3日に市内ホテルで「高崎まちづくり市民主導宣言シンポジウム」を開催した。
高崎CIPは、まちづくりの担い手である市民が主体となって、どのような活動を行っていけばよいのか、どのような新しいビジネスが起業できるのか、田町の屋台通りプロジェクト、すもの食堂プロジェクトなどの連携、実践を通じて具体化している。
3カ年計画で取り組んでいる起業促進プログラムは2年目となり、「まちなかと農を繋ぐ感動価値コミュニティ農業」をテーマに、起業を目指すメンバーが高崎市内の農家で、研修を続けている。
シンポジウムでは、高崎CIP立ちあげの後押しとなった「場所文化フォーラム」前田正尚さんが「市民の自立とコミュニティビジネスの方向」をテーマに基調講演を行った。前田さんは、地域主義を提唱した故・玉野井芳郎東京大学名誉教授に学び、玉野井氏が高崎哲学堂講演会で来高した際に、同行して高崎を訪れたこともあるという。前田さんは、生命を大切にした玉野井氏の地域主義経済学やコミュニティビジネスの事例を紹介しながら、高崎での実践に大きな期待を寄せた。
また、起業を目指すCIPメンバーからは「農家と密接な関係を築き、ニーズを把握したい」、「高齢化や人出不足に悩む農家の役に立てるよう作業を請け負いたい」、「生鮮野菜を販売するだけでなく付加価値を高めていけるよう地域と共同で加工場を立ち上げたい」などの活動報告が行われた。
また、フォーラムのようなまちづくり活動体として「高崎遊芸社」が提案され、亀田慎也さんを座長に、来場者との座談会も行われた。
代表の本木毅さんは「このまちで生きる、このまちを好きになる活動を継続したいと心から願っている」と抱負を述べた。
高崎市では「地域資源を活用したコミュニティビジネスが育ち、農業の活性化や地産地消の効果が期待できる」と話している。