発達障害 ゼロ歳から中学卒業まで一貫した支援を
(2011年1月18日)
4月1日に「高崎市こども発達支援センター」を設置
高崎市は、発達障害の子どもたちを総合的に支援する専門部門「高崎市こども発達支援センター」を、中核市となる4月1日に設置する。これまで子どもたちに関わる担当部署が、個別に対応しており、乳幼児期や学齢期など、年齢によって所管が変わってしまうなどの課題があった。同センターの設置により、ゼロ歳から中学3年生まで、窓口が一本化され、一貫した支援が行えるようになる。発達障害児の支援センターは、群馬県が設置しているが、市町村としては、高崎市が県内で初めて。
支援センターは、所長、保健師、保育士、教員、臨床心理士、作業療法士、事務職など9人の体制でスタートする。縦割りだった育児、保育、学校教育における支援をセンターとして一つにまとめ、障害の早期発見、専門家による相談、人材育成などを行う。
発達障害は、近年まで十分に認知されておらず、支援体制も不十分だった。障害者支援として後発の分野で、専門家の確保も難しいとされている。体制の遅れが、不登校やひきこもりなどの2次障害となったり、また学級崩壊などの深刻な社会問題となっている。こうした中、平成17年の発達障害者支援法により、国は市町村に対し、発達障害児への支援対策が求めてきた。
高崎市では、2年前から関係部署や外部の専門家を交えたプロジェクトチームで、一貫した支援を行うための組織づくりを検討してきた。「ゼロ歳から中学校卒業まで一貫した支援体制が必要」と判断し、同センター設置に至った。センターにより、これまでの部署ごとの対応よりも総合的、効果的な支援が可能となる。保育園への巡回指導を拡大するほか、療育施設との連携まで踏み込んだ支援を行う。
発達障害児の潜在数は、児童の6%と言われている。高崎市は「支援を必要とする子ども達の実数はわからないが、相当数を予想している。当初は9人の体制でスタートするが、需要は大きいと考えている」と、状況に応じた対応を考えている。また高崎市では「早期発見、早期治療が大切だが、保護者の方に子どもが発達障害であることを受け入れてもらうことも課題。中学卒業まで途切れることのない一貫した支援が行えることで、不登校などの2次障害を出さないよう、効果が上がるのではないか。小中学校の教育活動にも貢献できるだろう」と話している。