「一人で給食」許されない/教育長が所感と決意
(2010年11月18日)
「高崎の子どもに悲しい選択はさせない」と教育長
18日に行われた「人権を考える市民の集い」で、中島雅利教育長はあいさつの中で、高崎市内小中学校のいじめの実態調査を行い、「一件一件にきちんと対応をしていく」と考えを述べ、「高崎の子どもに悲しい選択はさせない」と強い決意を示した。
中島教育長は「人権の問題で、桐生市の女の子の自殺に市民のみなさんも関心を持っていると思う」と所感を語った。女子小学生が自殺に至るまでには、さまざまな原因があり「単に学校でのいじめが原因だったと判断するのは難しい。学校もはっきりと判断はできなかったのだろう。これからどこまで原因が明らかにされるか見守っていきたい」とした上で、女子小学生が「教室で一人で給食を食べていた実態は、高崎市では許されない」と述べた。「悲しい事件を起こしてはいけない。すぐに高崎市でも調査した」と教育長は調査内容を語った。
高崎市は10月26日に「いやな思い」をしているか無記名で調査し、全児童生徒31042人中、1817人(5・9%)が「している」と回答した。
「している」の回答は小学生が多く、教育長は「小さい子はトゲのある言葉を平気で使う。中学生は大人の判断ができる」と説明し、「学校では、一件一件を明らかにしながらきちんと対応していく。高崎の子どもが悲しい選択をしないようにしたい」と考えを述べた。
また、小中学生が携帯電話を使って出会い系サイトやアダルトサイトのトラブルに巻き込まれていることから、中島教育長は高崎市教委の取り組みについて説明した。
高崎市では、小中学校に携帯電話を持ち込まないことを決めているが、教育長はそれでは不十分だと考え「携帯電話を買い与える親の問題もある」とPTAへの啓発活動を行っている。また公民館活動の中でも、子ども達が携帯電話で出会い系サイトなどを利用する危険性を知ってもらうセミナーを開催した。参加者からは「こうした実態があったのか」と驚かれることもあったという。「携帯電話が子ども達に危険なものとなっているのは日本だけだ。海外では子ども達の使う電話は通話機能しかなく、インターネットに接続できない。日本の携帯電話は接続料ももうかる。親も子も踊らされているのではないか」と苦言を呈した。