赤字決算の事業者に５年間全額助成／事業所税
（2011年2月21日）
中小企業対象に助成制度。制度融資も創設
高崎市は、平成２３年７月から課税が始まる「事業所税」について、中小企業の税負担を軽減し、経営基盤の安定をはかるため、助成制度を創設する。
事業所税は、人口３０万人以上の都市などに課税される目的税で、事業所の家屋が１０００平方メートルを越える事業者、従業者が１００人を越える事業者が課税の対象。高崎市は平成１８年の合併で人口が３０万人を超え、事業所税課税の要件を満たしたが、合併特例法により、合併が行われた日から５年を経過するまでは課税団体として指定されないことになっていた。
景気の低迷が長引き、企業の経営環境が厳しい中で、新たな企業負担となる事業所税については、高崎市も苦慮してきた。他の税金との公平性を保ちながら、中小企業者への経営支援を行うため、助成制度を設けた。創設された助成制度は、中小企業が対象。赤字決算の事業者には、５年間、事業所税相当額が全額助成される。黒字決算の事業者の助成は３年間で、初年度は課税額の２分の１、二年目は３分の１、三年目は４分の１が助成される。
事業所税の課税額を納付後、申請によって助成を受けることができる。高崎市では、平成２３年度は、赤字決算の事業者に対する助成額として１億２０００万円、その他の事業者に対する助成額として１億５０００万円事業所税の税収として、５億２０００万円を見込んでいる。
事業所税納付に伴う運転資金不足を補うため、高崎市では新しい制度融資を設け、活用してもらう。金利は年１・３％で融資期間は１２カ月以内。事業所税に関連して、制度融資を設けるのは、全国的にも例が少ないという。
