ほうれんそう、カキナで暫定規制値越える
(2011年3月22日)
出荷について自粛を要請。県内産生乳も風評被害心配
群馬県県は、東京電力福島第一原子力発電所から漏れた放射性物質による、県内農産物の安全確認検査を行った。
3月19日に前橋市2カ所、伊勢崎市2カ所、高崎市1カ所、太田市1カ所、明和町1カ所、板倉町1カ所の6市町8カ所から農作物を採取し、分析を行った。ほうれんそう、カキナで暫定規制値を超える結果が20日に判明した。 県は消費者の安全性を考え、同日、県内のほうれんそう、カキナの出荷自粛を要請した。調査対象となったのは、冬春野菜のほうれんそう、ねぎ、カキナ、キャベツ、きゅうり。
伊勢崎産のほうれんそうから、1キログラム当たり放射性ヨウ素が暫定規制値2000ベクレルを越える2630ベクレル、2080ベクレル、高崎産カキナから放射性セシウム暫定規制値500ベクレルを越える555ベクレルが検出された。
厚生労働省の暫定規制値は、国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告した放射線防護基準をもとに、定められたもので、値を上回る食品を一過性に食した場合であっても、直ちに健康に影響を与えるものではないとされると、県では説明している。
県では、ほうれん草を20g食べた時の人体への影響は、胃のエックス線集団検診を1回受診した場合の人体への影響(約0・6mSv)の約500分の1、カキナを20g食べた時の人体への影響は、約4300分の1と試算している。
県では、県内産生乳の風評被害が懸念されることから、安全性を確認するための検査を行う。22日に前橋地域、高崎地域それぞれ1カ所の牛乳を採取し、生乳中の放射性セシウム及び放射性ヨウ素検査を行う。結果判明まで2、3日を要するという。