高崎の「ものづくり」ここにあり《第2弾》/たかさき産業祭ものとぴあ
(2009年10月)
アッと驚くテクノロジー!高崎の産業力は豊かな発想力を
11月7日、8日に高崎問屋街センター展示会館で開催される「ものとぴあ たかさき産業祭2009」。『高崎発 地球に優しいものづくり』をテーマに高崎の製造業が一堂に会する。出展企業は50社を超え、高崎地域の多彩な“ものづくり力”が集結する。
堅いイメージの製造業界を柔らかく分かりやすく紹介するイベントが「ものとぴあ」だ。主催者として会員企業の皆様に周知を図るために、企画内容から出展企業の声などを通してイベントの魅力をお伝えしたい。
高崎の産業はバランスのとれた発展をしている反面、なかなか特徴を表せないとも言われている。ものづくりの分野はさまざまだが、高崎のものづくりを牽引する力と産業人に共通して流れる“何か”が「ものとぴあ」を通じて伝わってくる。その“何か”が高崎の産業をひとことで言い表す言葉なのではないか。それは、製造業に携わる人たちだけではなく、あらゆるビジネスに通じるヒントを与えてくれる。
「ものとぴあ」に行って明日のビジネスに役立つ新しいひらめきを見つけよう。
今回、出展企業3社に技術や製品の一端と「ものとぴあ」への期待などを聞いた。
●マイクロフーズジャパン株式会社
超微粒子化の最新テクノロジー/自然素材のサプリも展示即売
野菜や果物など自然食品に含まれる栄養成分を損なわず、超微粒子の粉末にしてしまう独自の粉砕技術で業界の注目を浴びているマイクロフーズジャパン。「ものとぴあ」では、販路の拡大や自社ブランド製品の知名度アップにも期待を寄せている。省力化機械の企画、設計、製造で技術力を発揮する山和エンヂニアリングの販売部門として昭和63年に設立した。同社の粉砕技術は食品、化学、医療など幅広い分野に応用され、国内大手食品メーカーの栄養サプリメントなどもこの技術によってOEM製造されているそうだ。食の安心安全のため厳しい品質管理を徹底し、有機農産物を原料とする有機JASマークの認定工場として認められている。
同社では、天然素材100%の製品づくりをめざし、10年にわたって研究を積み重ねてきた。特許技術の高速気流方式により、殺菌から粉砕まで、熱による変色や風味、栄養素の破壊を最小限に抑え、高い評価を受けている。食品分析センターによる分析結果でも優れた数値を示し、山中則彦社長は「微粒子なのに栄養素がそのまま残っているのはすばらしい技術と評価され、今後の事業拡大の可能性を感じている」と話す。
産業祭に出展されるのは、技術のエッセンスをコンパクトに凝縮した小型粉砕機で、特許技術の高速気流方式を見ることができる。同方式は粉砕時の発熱が少ないのが特徴だ。この特許製法で作られたオリジナル製品、純度100%の自然サプリ「天然家族」シリーズと、「桑の葉茶」「桑の粒」の試飲コーナーも開設し特別価格で販売する。有機JASマーク製品の「オーガニックマルチビタミンミネラル」もお勧めだ。
●株式会社馬場家具
音を体で感じる「体感音響振動」癒しとエンターテイメントのボディソニックソファ
ソファメーカーとして「インターリバックス」ブランドを全国に展開する馬場家具。ライフスタイルの変化で、ソファは来客用の応接セットから、リビングでくつろぐ道具へと変わってきた。「薄型の大型液晶テレビが登場してから、家具に対する考え方や部屋のレイアウトが大きく変わってきた」という馬場万亀彦社長。同社では、ホームシアター向けのソファに早くから取り組み、体感音響振動を組み入れたボディソニックソファを開発している。「ものとぴあ」には、このボディソニックソファを出展し、来場者に迫力いっぱいの臨場感を体験してもらう。
ソファのヘッドレスト部分に付けられたステレオスピーカーと、ソファ全体から伝わる重低音で、映画や音楽の臨場感に体全体が包み込まれてしまう。和太鼓や花火、エンジン音、衝突音など通常のスピーカーでは再生しきれない体で感じる重低音の振動を、ソファのボディソニックシステムが再現する。ヘッドフォンとボディソニックだけで楽しむこともできる。
新製品は、アンプ部にSDメモリカードスロットを加え、コードをつながなくても音楽を楽しめるようにバージョンアップ。座り心地の良さもさらに改良を加えた。洗練されたデザインは、「グッドデザインぐんま大賞」を受賞している。
馬場社長は「国内メーカーとして、品質とデザインは手作りの大きな強み。箕郷工場は受注から一週間でオーダー商品をお客様に届ける機動力がある。市民の皆さんにも当社のインターリバックス・ブランドを知ってほしい」と話している。
●株式会社深堀鉄工所
産業用の大型タンクで卓越した技術/県下最大クラスのベンディングロールマシンも設備
深堀鉄工所は、大型タンク、圧力容器など筒状や曲面を持った製品では他にはない卓越した技術を持っている。産業プラント用の燃料地下タンク、化学・食品貯槽ステンレスタンクなど直径数メートルの大きな製品を手掛けてきた。同社の製品は巨大で、ものとぴあ会場には入らない。出展は「外熱〈間接加熱〉多筒式省エネロータリーキルン」装置の模型。透明のアクリル樹脂で製作されたモデル機で実際の動きがわかり、とにかく見ていて楽しい。このモデルの中には二つの特許技術が含まれている。
危険物を貯蔵する地下埋蔵タンクに独自の二重殻構造を取り入れ、危険物保安技術協会の認定を県内で初めて取得した「SF二重殻タンク」の断面模型も展示される。金属タンクを繊維強化プラスチック(FRP)で紙一重のすき間を作って覆う。安全性を大きく向上させた製品だ。他にも雨水を貯水して墓所用に使うユニークな発想がいっぱいの「天の深心水」は商標登録されたアイデア製品だ。
「仕事の善し悪しはプロの目で見れば一目瞭然」と深堀誠社長は言う。22歳で独立し、一代で同社を築き上げた。今年で満43年となる。ものづくりの面白さ、厳しさを深堀社長は体で知っている。
技術継承が社会問題になっているが、同社には、大手メーカーの若者が勉強のために訪れているという。「ものとぴあ」を、総合的な技術力を伝える場にしていきたい。「夢を持って明日の高崎のために貢献していく」と深堀社長。「ものとぴあ」で、深堀鉄工所の技術を見てもらい、名前を浸透させたいと考えている。
出展企業(順不同)
相原製鋲(株)/IPF(株)/(株)秋葉ダイカスト工業所/(株)新井家具製作所/イーケーエレベータ㈱/(株)伊藤産業/(株)上野商店/上原インテリア/(株)NTT東日本群馬支店/(株)荻野製作所 オリヒロプランデュ(株)/(株)金田美装/川島工業(株)/(株)キャロッセ/(株)キンセイ産業/群栄化学工業(株)/(株)群協製作所/群馬県立高崎産業技術専門校/群馬トヨタ自動車(株)高崎問屋町店/(株)国際規格認証支援/(株)小島鐵工所/(株)小林製作所/(株)サイトウティーエム/(株)シューフォーラム楽歩堂靴店/上毛電化(株)/(株)神明電気/ステータスホーム(株)/(株)セイモー/高橋ベルト(株)/高崎共同食事協同組合/東京ガス(株)群馬支社/東京電力(株)高崎支社/(株)中里スプリング製作所/日本原子力研究開発機構/(株)ヌカベ/(株)ネパスジャパン/(株)馬場家具/(株)深堀鉄工所/マイクロフーズジャパン(株)/マクロ(株)/(株)町田ギヤー製作所/(株)水島鉄工所/(株)ミツワ化学/(株)モテキ/(株)モハラテクニカ/八木工業(株)/ITスクール高崎(ルーテ(株))/協同組合群馬県配電制御システム工業会/高崎機械工業協同組合/高崎商工会議所・異業種交流研究会/高崎情報産業協議会/高崎青経工業クラブ/高崎青年経営者協議会/高崎プレス工業協同組合/高崎紙工業製品出展実行委員会/高崎卸商社街協同組合
(文責/菅田明則・新井重雄)
高崎商工会議所『商工たかさき』2009年10月号