競馬場跡地「場外馬券売場」契約更新の方針/23年度から3年間
(2010年8月23日)
高崎競馬場跡地の場外馬券売場
高崎市は、19日の高崎市議会大規模公共用地活用対策特別委員会で、高崎競馬場跡地の取り組みについて報告した。
高崎競馬場跡地は、群馬県が、市有地と民有地を借り受け、既存建物と県有地と一括して日本中央競馬会(JRA)と株式会社日本レーシングサービス(NRS)に貸し付け、平成17年度から場外馬券売場と馬券売場利用者の駐車場として利用されている。20年度に更新された契約が22年度で切れるが、群馬県と高崎市は、JRAとNRSとの契約をさらに更新する方針を確認したと報告した。
群馬県と高崎市は、平成22年度末を目途に利活用方針案を作成するための検討を進めているが、契約は3年間の見込みで、少なくとも25年度までは、場外馬券売場が継続されることになる。
高崎競馬場跡地の利活用については、昨年、群馬県と高崎市が共同で「高崎競馬場跡地利活用有識者検討委員会」を設置した。検討委員会は、今年5月に意見を「とりまとめ」としてまとめ、県は6月にこの「とりまとめ」を群馬県議会に報告した。
検討委員会の「とりまとめ」では、「暫定的利用としてJRA・NRSへの貸付も現実的な選択でやむを得ない」、「JRA・NRSからの賃貸収入を財源に、可能なところから買収し、公有地化を促進する」「所有権の散逸防止のため、有限責任事業組合(LLP)等による組織化方策を早急に検討する」「跡地を県民・市民に開かれた空間にするための環境整備」が提言されており、場外馬券場としての賃貸を続けながら、県と市は、民地の買収に力を入れる。
高崎競馬場の土地10万8千㎡のうち、県の所有が55・3%、高崎市が2・3%、民地が35・5%で所有者が多く、民地の公有化が競馬場跡地問題の最大の課題とされている。
市議会特別委員会で、三島久美子議員は、民地の買収が難しい作業であり時間がかかることに理解を示しながらも、2%しか所有しない高崎市の発言力が弱く事態の進展が見られないのではないかと懸念を示した。
市長公室長は「高崎市の立場を明確にし、市が主張してきたことを県に理解してもらっている。一番良い開発方法を視野に、高崎市にとって良いものを整備するよう県にお願いする。公有地化を進めるために我々も汗をかくことが必要だ」と説明し、理解を求めた。
現在、競馬場跡地は一部が公園として開放されているものの、利用の中心は場外馬券場売場の競馬ファン。県と市は、県民、市民に開かれた施設として整備を検討する。秋に市民の関心を喚起するためのイベントを開催する計画。